1. 今日の相談
「会議の記録は作ったんです。でも読み返してみると、文章は残っているのに、結局何が決まったのか、誰が何をするのかが分かりにくくて。会議のあとに『あれ、これは誰がやるんでしたっけ?』って聞かれることがあります」
会議のあと、よく起きる困りごとです。記録はある。メモも残っている。でも、決定事項・ToDo・担当・期限が本文の中に埋もれている。すると、会議が終わったあとに動き出せません。
今日やるのは、会議記録をもう一度書き直すことではありません。すでにある会議の記録やメモから、次に動くための情報だけを抜き出すことです。
2. 大丈夫です
ほー先輩:大丈夫やで。AIには空の確認表だけ頼んで、決まったことは正式な会議記録から人が拾えばええんや。
そうなんです。0001では、会議メモを議事録の形に整えました。今回はその次の一歩です。会議の記録から、会議後に動くための項目を抜き出すのが目的です。
必要なのは、きれいな表ではなく、次の4つです。
- 決定事項
- ToDo
- 担当
- 期限
もし担当や期限が決まっていないなら、無理に埋めません。「未確定」と残します。ここが大事です。
言い換えると、これは会議後のタスク抽出です。会議で出た宿題を、あとから動ける形にします。
3. 今日使うAI・道具
今日使うのは1つだけです。
- ChatGPT(無料で始められます) … 実際の会議記録を入力せず、決定事項・ToDo・担当・期限を確認する空の表だけを作ります。
人名・会社名・顧客名・案件名・連絡先・日時・場所・発言・決定・担当・期限をAIへ入力しません。契約、採用、健康、苦情を含むかどうかにかかわらず、実際の会議情報は職場の正式な記録で扱います。
4. 実際にやってみる
そのまま真似できる手順です。いきましょか。
ステップ1:正式な会議記録を正本として開く
完成した議事録、承認された会議メモ、決定記録を、権限のある場所で開きます。AI画面へ貼りません。
ステップ2:ChatGPTへ空の確認表だけを頼む
実際の会議名・参加者・発言・案件・決定・担当・期限を入力せずに使える、 会議後の空の確認表を作ってください。 項目は「決定事項」「ToDo候補」「担当」「期限」「保留」「確認先」とします。 決まっていない内容を決定扱いせず、人が記入していない担当・期限は「未確定」と残せる形にしてください。
空の確認表を権限管理された会議記録へ移し、正式な記録から人が一項目ずつ記入します。会議で決まっていないことは「未確定」のまま残します。
ステップ3:未確定を、人に確認する
記入した一覧を見て、担当や期限が「未確定」になっているものを参加者や責任者へ確認します。
「この件、担当はAさんで合っていますか」
「期限は来週金曜まででよいですか」
AIが決めるのではなく、空の型を使って人が確認すべき穴を見つける。この使い方がちょうどいいです。
ほー先輩:空欄が見つかるのは、悪いことやないで。むしろ会議後に気づけたら助かる。未確定を未確定と書けるのは、ええ仕事や。
5. 完成例
実際にやってみると、こんなふうになります。(架空の内容です)
ビフォー(会議記録の一部)
来月の見学会について、チラシはAさんがたたき台を作る。
配布先は前回と同じ地域を中心にする方向。
申込みフォームはB社に確認が必要。
開催日は第2候補の18日で進めることで了承。
当日の受付担当は次回までに決める。
アフター(空の確認表へ人が記入した一覧)
【決定事項】
・見学会の開催日は18日で進める。
・チラシ配布先は、前回と同じ地域を中心にする方向。
【ToDo】
・チラシのたたき台を作る
担当:Aさん
期限:未確定
・申込みフォームについてB社に確認する
担当:未確定
期限:未確定
・当日の受付担当を決める
担当:未確定
期限:次回まで
会議記録の文章の中に埋もれていた「次にやること」が見えるようになりました。特に助かるのは、未確定が分かることです。曖昧なまま進めるより、確認する場所が見えるほうが安心です。
場面別の共有の仕方(そのまま使えます)
抜き出したあと、どう配るかで使われるかどうかが決まります。[ ] の中を入れ替えてください。
① 会議直後に参加者へ送る
件名:[日付][会議名]の決定事項とToDo
本日はありがとうございました。
決まったことと、次にやることを共有します。
■ 決定事項
・[内容]
■ ToDo
・[やること]/担当:[名前]/期限:[日付]
・[やること]/担当:未定/期限:未定
■ 次回までに決めたいこと
・[論点]
相違や抜けがありましたら、[日付]までにお知らせください。
「相違があれば教えてください」と期限をつけます。返事が来なければ、これで確定にできます。
② 担当が未定のまま終わったとき
■ 担当が決まっていないToDo
・[やること]([いつまでに必要か])
・[やること]([いつまでに必要か])
[日付]までにお引き受けいただける方がいらっしゃいましたら、
お知らせください。決まらない場合は[誰]から個別にご相談します。
放置せず、決まらなかったときの手順まで書きます。
③ 欠席者へ送る
本日の[会議名]について、決定事項を共有します。
(ご欠席された方向けに、経緯も少し添えています)
■ 決まったこと
・[内容]([理由・経緯を1行])
■ [宛先の方]に関係するToDo
・[やること]/期限:[日付]
ご不明な点や、ご意見がありましたらお知らせください。
欠席者には理由も1行添えます。結果だけ渡されると、納得しにくいためです。
④ 期限が近づいたときのリマインド
[日付]の会議で決まったToDoについて、期限が近づいております。
・[やること]/担当:[名前]/期限:[日付]
進捗や、難しくなった事情がありましたらお知らせください。
期限の見直しも相談できます。
「難しければ相談できる」と添えます。責める形にすると、遅れの報告が遅くなります。
⑤ 次回会議の冒頭で振り返る
前回のToDoの状況を確認します。
・[やること]:[完了/進行中/未着手]
・[やること]:[完了/進行中/未着手]
未着手のものについて、[この場で期限を決め直す/担当を変える]でよいでしょうか。
毎回冒頭で確認すると、ToDoが流れなくなります。
⑥ 台帳・タスク管理へ移すとき
[日付] [会議名]
決定:[内容]
根拠:[会議名]([日付])
ToDo:[やること]/担当:[名前]/期限:[日付]/状態:未着手
決定事項とToDoの扱いで気をつけたいこと
- 担当を推測で埋める— 「たぶんAさん」は書きません。「未定」と書き、決める場を作ります
- 期限を書かない— 期限のないToDoは実行されません。「未定」なら、いつ決めるかを書きます
- 会議中に共有しない— その場で読み上げると、認識違いをその場で直せます
- 決定と検討中を混ぜる— 「〜の方向」は決定ではありません。分けて書きます
- 共有して終わり— 次回の冒頭で状況を確認するところまでが一続きです
- 議事録に埋め込むだけ— 長い議事録の中のToDoは読まれません。冒頭か別便で出します
6. 抜き出したあとに確認すること
決定事項とToDoを分けると、次に動くための確認場所が見えます。ただし、「話題に出たこと」と「会議で決まったこと」は同じではありません。AIが提案や検討事項まで決定扱いにしていないか、元の記録と照らします。
担当や期限が記録にないときは、推測で埋めずに「未確定」と残します。会議にいなかった人を担当へ入れたり、発言から責任者を決めたりしてはいけません。
AIは会議のニュアンスや、記録されていない口頭確認を知りません。抜き出すのはAI、決定事項として確定し関係者へ共有するのは人です。
元の会議記録を録音から作る場合は、先に録音・文字起こしを安全に使うための確認手順を読んでください。参加者の同意、職場の承認、保存と削除のルールが決まっていない会議では、録音せずメモから始めます。
抜き出した決定事項と宿題を関係者へ送るときは、打ち合わせ後の確認メールにすると、担当・期限・未決定を分けて確認できます。
7. 今日できたこと
今日できたことを、言葉にしておきますね。
- 会議の記録から、決定事項・ToDo・担当・期限を抜き出せた。
- 未確定の担当や期限を、無理に埋めずに見える化できた。
- 会議後に確認すべきことが分かり、次に動き出しやすくなった。
会議の記録は、残すだけで終わりではありません。決まったことと次にやることが見えたら、会議のあとがちゃんと動き出します。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:会議のあとに動ける形まで持っていけたら、それはもう立派な仕事や。決まったこと、やること、まだ決まってないこと。そこが見えたら、みんなが次の一歩を踏み出せるで。今日もよう整えたな。
やさしいAI仕事術