1. 今日の相談
「開業後も表計算で売上と経費を管理しています。会計ソフトに変えたいのですが、プランも機能も多く、どこから比べればよいですか。今までのデータをうまく移せるかも不安です」
会計ソフトを調べ始めると、銀行連携、請求書、経費、申告、権限管理など、聞き慣れない機能が一度に並びます。あなたが迷うのは、経理が苦手だからではありません。比べる材料が多いのに、自分に必要な順番へまだ並んでいないだけです。
今日は、今の作業・必要な機能・確認する条件を一枚にします。
2. 大丈夫です
ほー先輩:有名かどうかより、毎月の手作業を一つ減らせるかから見たらええで。
大丈夫です。最初から会計の仕組みを全部変えたり、すべてを自動化したりする必要はありません。
たとえば「通帳からの転記に時間がかかる」「領収書を月末に探している」など、今つらい作業を一つ見つければ、比較の入口になります。あなたの毎月の流れに合うかを確かめる方が、機能数の多さより大切です。
乗り換えが不安なときも、すぐ本番データを移さなくて大丈夫です。公開情報で候補を比べ、架空の取引で試し、バックアップと移行方法を確認してから進められます。
3. 今日使うAI・道具
使うのはChatGPTです。候補サービスの公開情報を、自分用の確認表に整えます。
この記事では、比較候補の例としてfreee会計とマネーフォワード クラウド確定申告へのアフィリエイト広告を掲載しています。どちらか一方を最良と決める記事ではありません。
2026年8月9日に個人事業主向けの公式料金を確認した時点では、次の案内でした。表示額はいずれも税抜です。
- freee会計の個人向けプラン:スターターは年払い11,760円、月払い1,780円。スタンダードは年払い23,760円、月払い2,980円
- マネーフォワード クラウドの個人向けプラン:パーソナルミニは年払い10,800円、月払い1,280円。パーソナルは年払い15,360円、月払い1,680円
最安プランの価格だけでは決まりません。マネーフォワードのパーソナルミニは公式料金表で消費税申告を利用できないと案内されています。freeeのスターターはレシート撮影が月5枚までです。自分が必要な申告、取込件数、請求書、出力、サポートが対象プランに含まれるかを比べます。
無料で試す条件も同じではありません。マネーフォワードは1か月のトライアルについて、クレジットカード不要、有料プランへの自動移行なしと案内しています。freeeは一部機能を除いて各プランを試せますが、試用中に有料契約すると残りの試用期間が消滅し、その日から有料プランになる案内です。料金と条件は変わるため、申込直前に公式ページを開き直してください。
実際の売上、取引先、口座、カード番号、領収書画像はAIへ渡しません。税務・会計処理の正しさは、公式情報と税理士・経理担当者などに確認します。
4. 実際にやってみる
1. 今の作業を架空例で書く
毎月の回数、手入力している作業、誰が確認するかを、金額や実名なしで書きます。「月末にまとめて入力」「請求書は別の表で作成」のように、今の順番が分かれば十分です。
見るポイントは、同じ内容を二度入力している所、探す時間がかかる所、確認が一人に偏っている所です。このどれかを減らせる機能なら、あなたにとって優先度が高いと判断できます。
2. 事業形態と申告を先に分ける
個人事業主向けと法人向けでは、プラン名も料金も必要な申告も異なります。検索結果で安い金額を見つけても、自分と違う事業形態のプランなら比較対象にしません。
個人事業主なら、所得税の確定申告に加えて消費税申告が必要かを人が確認します。法人なら、決算書、部門、利用人数、承認権限、従量課金を別の表で確認します。税務上どの申告が必要かをAIや料金表だけで決めません。
3. 絶対に必要な機能を3つまで選ぶ
銀行連携、請求書、複数人利用など、無いと困るものに絞ります。
「あると便利」と「無いと仕事が止まる」を分けます。たとえば、担当者と確認者が別なら権限設定は必須候補です。一人で使うなら、最初から複雑な権限機能を優先しなくても構いません。
良い候補は、必須の3つが必要なプランで使えることを公式情報から確認できるものです。機能名はあるのに、対象プランや追加料金が分からない場合は「要確認」に残します。
4. 同じ操作を両候補で試す
無料体験では、候補ごとに違うことを試すと比較できません。次の固定作業を両方で行い、迷った場所と完了までの手順を記録します。
- 架空の売上を一件入力し、金額を訂正して取り消す
- 架空の領収書画像を一枚取り込み、元画像と登録内容を照合する
- 試算表または仕訳データを出力し、手元で開けるか確認する
- 操作方法の問い合わせ先と、回答対象外の範囲を確認する
実口座・実カード・実際の領収書はつなぎません。操作のしやすさと、仕事で使えることは分けて判断します。
5. 移行と解約も確認する
過去データの取り込み、出力形式、保存期間、解約後の取得方法を見ます。
乗り換え前には、今の表や帳簿をどの形式で取り込めるか、何年分を移す必要があるかを確認します。うまく読み込めない場合に手入力へ戻せるか、サポートへ相談できるかも判断材料です。
解約後も帳簿を保存する必要があります。「画面で見られなくなっても、必要な形式で手元へ出せるか」が明記されている候補は安心材料になります。記載が見つからない候補は、申し込み前に問い合わせます。
6. 無料体験の終了条件を記録する
開始日時、終了日時、カード登録、自動移行、自動更新、解約手順を一行ずつ記録します。無料体験では、画面を眺めるだけでなく、架空の売上を一件入力し、修正し、CSVなどで取り出す所まで試します。請求書が必要なら、架空の宛名で作成から保存まで確かめます。
使いやすさは人によって違います。「迷わずできた」「説明を見ればできた」「担当者の助けが必要だった」の3段階でメモすると、感覚だけで決めずに済みます。
銀行・カード連携を試す前に、対象金融機関、同期される期間、重複取引、連携解除後の扱いを確認します。無料体験では実口座をつながず、架空取引の登録・訂正・取消・出力で操作と権限を確かめます。
決算や申告期限の直前に一斉移行せず、旧帳簿と新システムを照合できる期間を取ります。障害や保守で使えない場合の記録方法、問い合わせ窓口、復旧後の二重登録防止も候補ごとに残します。
7. AIで比較メモにする
固定の練習例「町内会の会費と行事費の記録を毎月手で書き写している」を見本に、会計ソフトの購入前確認メモの空欄の型を作ってください。 「事業形態」「必要な申告」「今の作業」「必須機能」「連携」「複数人利用」「データ移行・出力」「料金・従量課金」「無料体験の終了条件」「解約」「人に確認すること」「判断の目安」に分けてください。 書かれていない機能、税務上の正しさ、料金を推測しないでください。不明点は「要確認」と書いてください。 各欄は空欄にし、実際の作業内容、候補サービス名、料金、顧客名、口座、取引先、金額、帳簿、申告データは入力しないでください。 各欄の末尾に「各サービスの公式ページ・会計担当者や専門窓口へ戻る」と添えてください。
8. 自分で候補に残す理由を一文にする
AIの比較メモを元の公開情報と照らし、必須機能、料金、移行・出力の記載に付け足しがないかを確認します。最後に「必須3機能が確認でき、架空データで出力まで試せるので候補に残す」のように、自分の判断を一文で書きます。
5. 完成例
以下は架空の比較メモです。
【今の作業】
通帳の内容を月末に手入力
領収書は月別フォルダに保存
【必須機能】
銀行連携、請求書、CSV出力
【連携】
銀行連携:候補の公開情報に記載あり
対象の金融機関:要確認
【複数人利用】
担当者と確認者で権限を分けられるか:要確認
【データ移行・出力】
過去データの取り込み方法
解約後のデータ取得期間
【プラン・解約】
必要なプランと年間費用
解約後にデータを取得できる期間
【無料体験で試すこと】
架空の売上を一件入力して修正する
CSVで手元へ出力できるか確認する
【判断の目安】
必須機能3つが対象プランで使える:候補に残す
移行・出力・解約後の取得が不明:問い合わせ後に判断
税務処理の判断が必要:経理担当者へ相談
【人に確認すること】
現在の処理が正しいか
移行前に残す帳簿とデータ
6. 使うときの注意
候補を決めるときは、最新の料金、対応機能、税制変更への対応を公式ページで確認します。比較記事やAIのまとめは、確認する項目を見つける補助にとどめます。
無料体験では架空または安全なテストデータを使い、本番データの移行はバックアップと職場の承認を済ませてから行います。移行の前後で残高や取引件数が一致するかは、人が元の帳簿と照らします。
契約名義、管理者、経理担当者・承認者・閲覧者の権限を分け、退職・委託終了時に権限を外す手順も確認します。請求書や帳簿の保存義務、税制への対応は、サービスの宣伝文やAIだけで判断せず、正式な資料と担当者へ戻します。
毎月の提出がそろわないことが困りごとなら、ソフトを選ぶ前に経費提出リマインドを一枚に整える方法も使えます。道具の変更と、今の運用の見直しを分けて考えられます。
7. 今日できたこと
- 今の経理作業を先に整理できた。
- 必須機能と、後で確認する機能を分けられた。
- 税務判断と比較メモの役割を分けられた。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:最後に大事なんは、帳簿の正しさと後から取り出せることやで。比較表はその相談の準備に使おな。
やさしいAI仕事術