1. 今日の相談
「月次の取り組みを5分で発表します。資料には数字も写真もあります。でも、背景から説明すると結論まで長いし、結論から言うと唐突な気がして。話す順番が決まりません」
資料の構成と、口頭で話す構成は同じとは限りません。短い発表なら、結論→理由→具体例→お願いの4つで道筋を作ると、聞く人が迷いにくくなります。
2. 大丈夫です
ほー先輩:資料を全部読み上げんでええで。「今日は何を伝えたいか」を一文にして、一番前へ持ってこよか。
AIには発表内容を渡さず、空の話す順番表だけを作らせます。使う事実、数字、結論は、承認された資料から人が選び、発表メモへ直接記入します。
3. 今日使うAI・道具
- ChatGPT … 実際の発表資料を使わず、口頭で伝わる空の順番表を作ります。
未公開の業績、顧客名、社内情報、承認済みの数字もChatGPTへ移しません。実際の内容は承認された発表メモで扱います。
4. 実際にやってみる
ステップ1:発表の材料を4行にする
伝えたい結論:問い合わせ対応の型を共通化したい
理由:回答のばらつきと待ち時間を減らすため
具体例:同じ質問への返信を3人が別々に作っている
お願い:来週、よくある質問を各自3件ずつ出してほしい
聞く人が誰で、発表後に何を判断・実行してほしいかも一行で置きます。同じ内容でも、承認を求める発表と経過を共有する発表では、必要な結論とお願いが変わります。
ステップ2:空の話す順番表を頼む
実際の発表資料・業績・顧客・社内情報を使わず、5分発表の空の順番表を作ってください。 「結論」「理由」「具体例」「お願い」「質問と次の予定」の順にし、各欄へ目安時間と確認元を付けてください。 事実、数字、成果、原因、体験談、お願いは書き込まず、空欄にしてください。
空の表を承認された発表メモへ移し、人が元資料から内容を記入します。
ステップ3:声に出して一度だけ測る
AIの時間配分をそのまま信じず、自分の速さで声に出します。長ければ具体例を一つに絞り、数字と固有名詞は元資料と照合します。
スライドを使う場合は、話す順番とページ番号をメモへ添え、画面を探す時間も測ります。動画・デモ・質疑の時間は説明時間と別に確保します。
ステップ4:短縮版と「要確認」を用意する
時間が短くなったときに残すのは、結論とお願いです。具体例は補足資料へ回し、1分で話す短縮版も作ります。また、質問されそうな数字や条件を、AIに推測させて用意しません。元資料で確認できないことは「要確認」とし、後で回答するための連絡方法を決めておきます。
発表後は、決まったこと、保留、次の担当と期限を議事録や作業管理へ戻します。発表が終わったことと、提案が承認されたことを同じにしません。
5. 完成例
0:00-0:40 結論
「今日は、問い合わせ返信の型を共通化したい、という提案です」
0:40-1:40 理由
・回答のばらつきを減らす
・待ち時間を減らす
1:40-3:30 具体例
・同じ質問への返信を3人が別々に作っている
3:30-4:30 お願い
・来週までに、よくある質問を各自3件ずつ出してほしい
4:30-5:00 確認
・質問と次の予定を確認する
これは架空例です。発表で使う数字や事実は、元資料から人が確認します。
場面別の話し方の例(そのまま使えます)
[ ] の中を、自分の手元の事実に入れ替えてください。最初の1文で結論を言うのが共通の型です。「まず背景から」で始めると、聞き手は何の話か分からないまま3分過ぎます。
① 提案する(何かを変えたい)
【つかみ】
「今日は、[変えたいこと]についてのご提案です。」
【現状】
「今、[観察できる事実]という状態です。」
【提案】
「[やりたいこと]を提案します。」
【理由】
「[理由1]。それから[理由2]です。」
【お願い】
「[誰]に[何]を[いつまでに]お願いしたいです。」
② 報告する(決まったことを伝える)
「[案件名]について、[結論]となりましたのでご報告します。」
「経緯としては、[要点を1〜2文]。」
「今後は[次の予定]で進めます。」
「ご質問があればお願いします。」
報告は結論・経緯・次の予定の3つで足ります。時系列で全部話すと長くなります。
③ 相談する(判断してほしい)
「[案件名]について、判断をお願いしたくご相談します。」
「選択肢は[A]と[B]です。」
「[A]は[良い点]ですが[懸念]があります。」
「[B]は[良い点]ですが[懸念]があります。」
「私は[どちらか]がよいと考えていますが、いかがでしょうか。」
自分の意見を最後に添えます。丸投げにならず、決めてもらいやすくなります。
④ 悪い知らせを伝える
「[起きたこと]についてご報告します。」
「現在確認できているのは[事実]までです。」
「[応急対応]まで済んでいます。」
「原因は確認中で、[日付][時刻]にあらためてご報告します。」
前置きを置かずに本題から入ります。「実は少し困ったことが…」は聞き手を不安にさせるだけです。
⑤ 短い時間しかもらえないとき(1分版)
「[結論]です。」
「理由は[いちばん大きい理由1つ]。」
「[お願いしたいこと]をお願いできますでしょうか。」
⑥ 質疑で答えられないとき
「その点は今、手元で確認できておりません。
[日付]までに確認してご連絡いたします。」
分からないことを推測で答えないほうが、結果的に信用されます。
話し方の準備で気をつけたいこと
- 背景から始める— 聞き手は何の話か分からないまま待たされます。結論を先に
- 資料を読み上げる— 資料に書いてあることは読まれます。話すのは資料に書けなかったことです
- 数字を記憶で言う— 元資料を確認してから話します。間違えると、その後の話も疑われます
- お願いを言わずに終わる— 何をしてほしいのかが伝わらないと、その場は動きません
- 時間を超える— 与えられた時間の8割で終える構成にすると、質疑の時間が残ります
- 「以上です」だけで締める— 決めてほしいことや次の予定を、最後にもう一度置きます
6. 使う前に確認したいこと
発表の骨組みより資料側から整理したい場合は、会議資料の背骨を作る記事を先に使います。経営判断、法務、人事、健康、安全に関わる発表は、責任者と専門担当の確認を通してください。
オンライン発表では、画面共有の通知、個人名、ブラウザのタブ、メモの映り込みも本番前に確認します。話す順番が正しくても、共有してよい範囲が守られていなければ使えません。
7. 今日できたこと
- 資料の読み上げではなく、口頭で伝わる4つの順番を作れた。
- AIへ数字や成果を渡さず、空の並べ方だけを頼めた。
- 声に出し、自分の話す速さで時間を確認できた。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:最初の一文が決まったら、発表はもう始められる。完璧に覚えんでも、道順を見ながら一歩ずつ話したらええで。
やさしいAI仕事術