1. 今日の相談
「外部研修に参加して、参考になる話がたくさんありました。でも職場で『どうだった?』と聞かれると、『勉強になりました』しか出てこなくて。資料を順番に説明すると長くなるし、短くすると何も伝わらない。研修報告や復命のメモを作ろうとしても、どこから書けばいいのか分かりません」
研修の内容を覚えていないわけではありません。職場によっては「伝達研修」や「復命」と呼ばれる、自分が受け取った学びを、同僚が使える順番へ変えるところで手が止まっています。
研修資料の要約は資料の要点をつかむ方法、振り返りを書く方法は自分の気づきを言葉にする方法でした。今日はその次、自分の気づきを職場へ手渡す共有メモを作ります。
2. 大丈夫です
ほー先輩:研修を最初から最後まで説明せんでも大丈夫やで。職場のみんなが知りたいんは、「うちの仕事にどうつながるん?」と「次に何を試せそう?」の2つや。あなたが選んだ気づきを、AIに一枚の形へ並べてもらおか。
AIへ渡すのは、配布資料そのものではありません。まず自分で、次の3つだけを短く書きます。
- 心に残った学び
- 今の仕事とつながると思ったこと
- 職場で話し合いたいこと・試してみたいこと
この3つがあれば、共有メモの材料は十分です。
3. 今日使うAI・道具
今日使うのは1つです。
- ChatGPT(無料で始められます) … 自分の言葉で書いた研修メモを、同僚が読みやすい順番へ整えてもらいます
始める前に、職場で承認された環境かを確認します。研修資料には著作権や利用条件があり、職場だけに開示された情報が含まれることもあります。配布資料・スライド・録音・未公開情報を、そのままAIへ貼り付けません。講師名や参加者名、事例の人物・施設が分かる情報も入れず、材料は自分の言葉で書いた気づきに絞ります。
4. 実際にやってみる
ステップ1:自分の言葉で、3つだけメモする
【心に残った学び】
説明の前に、相手が何に困っているかを一つ確かめる
【今の仕事とのつながり】
保護者への電話で、こちらから説明を始めすぎることがある
【職場で話したい・試したいこと】
電話の最初に「今日は何を一番確認したいですか」と聞く方法を、会議で相談したい
固有名詞や実際の相談内容は書かず、一般化した気づきだけにします。
ステップ2:ChatGPTへ頼む
次の研修メモを、職場の同僚へ共有する一枚のメモに整えてください。 ①「研修で学んだこと」「今の仕事とのつながり」「職場で話し合いたい次の一歩」の3見出しに分けてください。 ②一つの見出しは3行以内にしてください。 ③メモにない研修内容・事例・効果・職場の方針を推測して付け足さないでください。 ④試すことは決定事項にせず、「話し合いたい案」として書いてください。 ⑤判断できない箇所は「要確認」としてください。
【自分の研修メモ】 (ここに貼る)
ステップ3:元のメモと照らして仕上げる
- AIが、研修で言われていないことを足していないか
- 「話し合いたい案」が、職場の決定事項に変わっていないか
- 講師・参加者・利用者・施設を特定できる情報が残っていないか
- 引用したい内容がある場合、資料の利用条件と出典表記を確認したか
最後に、研修名・受講日・共有者名など職場で必要な情報を、AIの画面ではなく、承認された研修報告様式へ移すときに正確に記入します。
5. 完成例
架空の例です。ステップ1のメモだけから、次のように整います。
# 研修共有メモ
## 研修で学んだこと
説明を始める前に、相手が何に困っているかを一つ確かめる。
相手が知りたいことを先に捉えると、説明の順番を考えやすい。
## 今の仕事とのつながり
保護者への電話で、こちらから説明を始めすぎることがある。
最初に確認したいことを尋ねる方法が、日々の対応に生かせそう。
## 職場で話し合いたい次の一歩
電話の最初に「今日は何を一番確認したいですか」と聞く方法を、
会議で試すか相談したい。(決定事項ではありません)
研修内容を丸ごと再現したものではありません。受講した人が自分で選んだ気づきと、職場で話し合う入口だけが一枚になっています。
6. 使う前に確認したいこと
守る線は3つです。
- 配布資料・スライド・録音・未公開情報を、そのままAIへ貼らない
- 人物・施設・職場が分かる情報や、相談事例の詳細を入れない
- AIが出した「次の一歩」を職場の決定として扱わない。実施するかは責任者・職員で話し合う
正式な復命書や研修報告書の提出が必要な場合は、職場の様式と決裁手順を優先します。この共有メモは、報告書を置き換えるものではなく、同僚へ学びを伝えるための下書きです。
7. 今日できたこと
- 研修の感想が、職場で読める共有メモになった
- 資料を丸ごと渡さず、自分の言葉を材料にする方法が分かった
- 「試したい案」と「決定事項」を分けて残せた
共有する学びは、一つでも十分です。全部を伝えるより、次の仕事で一つ使えるほうが、研修は職場に残ります。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:研修で受け取ったもんを、全部抱えて帰らんでええねん。「これ、みんなにも役立ちそうやな」をひとつ選んで、使える形で置いておく。それだけで、研修は一人分やのうて、職場みんなの学びになるで。
やさしいAI仕事術