1. 今日の相談
「メール本文はなんとか書けたんです。でも最後に件名で止まってしまって。毎回『お知らせ』『ご連絡』『お願い』みたいな件名になってしまうんです。相手に開いてもらえるようにしたいけど、あおるような言い方にはしたくないし。結局、なんとなくの件名で送ってしまいます」
これ、地味ですがとても多い相談です。本文を書くことに力を使い切って、最後の件名が雑になる。すると、相手の受信箱の中で何のメールか分かりにくくなります。大事な連絡なのに、あとで探しにくい。急ぎなのか、確認だけなのかも伝わらない。
この「メールの件名を、相手が開きやすい一言にする」ところを、なんとかしたい——というのが今日の相談です。
2. 大丈夫です
ほー先輩:大丈夫やで。件名は、うまいコピーを書かなあかん場所やない。相手が「何のメールか」を迷わんようにする道しるべや。中身が分かる一言にしたら、それで十分ええんやで。
そうなんです。良い件名は、派手な言葉ではありません。何の用件か、何をしてほしいか、いつまでに関係するかが短く分かること。それだけで、相手は開きやすくなります。
今日は、本文をAIに渡して、件名案をいくつか出してもらいます。ただし大事な約束があります。本文と違うことは件名に書かない。あおらない。大げさにしない。開封してもらうために盛るのではなく、相手が迷わないように整える。その温度でいきます。
3. 今日使うAI・道具
今日使うのは1つだけです。
- ChatGPT(無料で始められます) … 書き終えたメール本文を見て、内容に合った件名・メールタイトルの案を出してもらいます。短く、分かりやすく、本文とズレない候補にしてもらいます。
本文をゼロから書き直す必要はありません。今日は件名だけを整えます。
4. 実際にやってみる
そのまま真似できる手順です。いきましょか。
ステップ1:送る前のメール本文を用意する
本文をそのままコピーします。まだ完璧でなくても大丈夫です。件名を考えるには、本文の中身が分かれば十分です。
相手の名前や会社名、個人が分かる情報は、渡す前に「A様」「B社」に置き換えましょう。
ステップ2:ChatGPTに、このまま頼む
次の指示文を貼り付けて、ステップ1の本文を続けて貼ります。
次のメール本文に合う件名を、5案出してください。 ①内容がひと目で分かる、短い件名にしてください。 ②本文に書いていないことは、件名に入れないでください。 ③あおる表現や、大げさな表現は避けてください。 ④相手が何をすればよいか分かる案があれば、それも入れてください。
(ここに、メール本文を貼る)
コツは「本文に書いていないことは入れない」と「あおらない」です。AIは「重要」「至急」など、強い言葉を出すことがあります。でも本当に急ぎでないなら、件名に入れません。件名は目立たせる場所ではなく、迷わせない場所です。
ステップ3:いちばん自然な件名を選び、本文と照らす
出てきた5案から、いちばん自然なものを選びます。そして最後に、本文と合っているか確認します。件名に「回答のお願い」と入れたなら、本文にも何を回答してほしいかが書かれているか。件名に「日程確認」と入れたなら、日程の話が本文の中心か。
ほー先輩:件名だけ立派で、中身とズレてたらあかんで。読む人が「ああ、この件ね」と分かる。それがええ件名や。
5. 完成例
実際にやってみると、こんなふうに変わります。(架空の内容です)
ビフォー(本文はあるけど件名が弱い)
件名:お知らせ
A様
お世話になっております。
来週の面談について、下記の候補日でご都合のよい日時を
お知らせいただけますでしょうか。
・7月15日(火)午後
・7月17日(木)午前
・7月22日(火)午後
アフター(ChatGPTが出した件名案)
1. 来週の面談日程についてご相談です
2. 面談候補日のご確認をお願いします
3. 来週の面談候補日について
4. 面談日程の候補をお送りします
5. ご都合のよい面談日時をお知らせください
「お知らせ」だけより、何のメールかがすぐ分かるようになりました。今回は、「面談候補日のご確認をお願いします」が自然です。相手は、開く前に「面談の日程確認だな」と分かります。かかった時間は5分ほどです。
6. 使ってみた感想
いちばん良かったのは、件名を考える時間が短くなったことです。本文を書いたあとに、最後の一押しで止まらなくなりました。
うれしかったのは、「件名はうまい言葉でなくていい」と分かったこと。開封されるために目立たせるというより、相手が迷わないようにする。そう思うと、気持ちがずいぶん楽になりました。
一方で、AIが出した件名をそのまま選ぶ前に、本文とのズレは確認します。「至急」「重要」「確認必須」のような言葉は、本当にそうでない限り使いません。目立たせるのはAI、ではなく、分かりやすくするのをAIに手伝ってもらう。最後に誠実かどうかを見るのは自分です。
7. 今日できたこと
今日できたことを、言葉にしておきますね。
- 「お知らせ」「ご連絡」だけだった件名を、用件が分かる一言にできた。
- 「本文と一致させる・あおらない・短くする」という件名の型を覚えた。
- 件名を本文と照らしてから送る、という確認ができた。
メール本文が書けたあと、最後にこの5分を足すだけで、相手に届きやすいメールになります。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:件名は、読む人のための道しるべや。「開いてもらう」より、「迷わせへん」が先やで。中身が分かる一言にしておくだけで、相手の探す時間も、考える時間も減らせる。小さいけど、ちゃんと気づかいや。今日もていねいやったな。
やさしいAI仕事術