1. 今日の相談
「在庫を数えたら、記録では10個あるはずなのに、棚には7個しかありませんでした。数え間違いなのか、記録の漏れなのか分からず、記録を7個に直してよいのか迷っています」
数が合わないときは、まず比べる基準の日時をそろえます。そのうえで、元の記録を残したまま、決まった順番で確かめます。おすすめの順番は、数え直し → 入出庫の記録の漏れ → 置き場所の違い → 単位の違いです。
確かめた結果は、理由が分かったものと分からないものに分けて残します。理由が分からない差も、職場の責任者が決めた承認の手順で扱います。
この記事は、棚卸し全体のやり方ではなく、差が出たあとに原因を確かめる手順を扱います。棚卸しの段取りは、記事の後半で案内します。
2. 大丈夫です
ほー先輩:数が合わないことは、珍しいことではありません。原因が分からないままでも、調べた範囲を残せば、次の手がかりになります。
なぜ基準の日時をそろえるのか:記録の数がいつ時点のものか、数えたのがいつかがずれていると、その間に入ったり出たりした分だけ、差が生まれます。比べる時点をそろえないと、本当の差かどうかが分かりません。
なぜ元の記録を残すのか:先に記録の数を上書きしてしまうと、あとから理由を調べられなくなります。記録の直し方は、職場の承認の手順に沿って行います。
3. 今日使うAI・道具
- 在庫の記録(帳簿、在庫管理の画面、表計算の一覧など)
- 入庫・出庫・返品・移動の記録(伝票、納品書、使った記録)
- 確認の結果を書く表(紙でも表計算でもよい)
この確認に、生成AIは必要ありません。使う場合も、実際の品名・取引先・数量を入れずに、「在庫の差を確かめる確認表の項目案」のような空の形だけを相談します。
4. 実際にやってみる
1. 比べる基準の日時をそろえる
記録の数が「いつ時点の数か」を確かめます。数えた日時と記録の日時がずれていたら、その間に入ったり出たりした数を、入出庫の記録から書き出します。
記録の時点:10月9日 18時(記録上 10個)
数えた時点:10月10日 10時(現物 7個)
その間の動き:10月10日 9時 出庫 2個(記録あり)
→ 基準をそろえた記録の数:8個 現物:7個 差:-1個
2. 数え直す
同じ品目をもう一度数えます。可能なら別の人が数えます。別の日に数え直すときは、その間の入出庫も書き出して、基準をそろえます。箱や袋に入ったままのもの、奥に隠れているもの、まとめて置かれているものを見落としていないかも確かめます。
3. 入庫・出庫の記録の漏れを探す
前回、数が合っていた日から今日までの、入庫・出庫・返品・移動の記録を並べます。次のような漏れがないかを見ます。
・使ったのに、出庫の記録をしていない
・入庫したことにしたが、まだ届いていない
・返品・交換の記録が、片方だけになっている
・別の場所へ移したのに、移動の記録をしていない
4. 置き場所の違いを確かめる
別の棚、別の倉庫、作業中の場所、一時置き場に置かれていないかを確かめます。似た品目と混ざっていないかも見ます。
5. 単位の違いを確かめる
記録は「箱」、数えたのは「個」のように、単位が違っていないかを確かめます。1箱に入っている数が変わった品目は、とくに注意します。
6. 分かったことと、分からないことを分けて残す
品目|基準の日時|記録の数|現物の数|差|確かめたこと|分かった理由|まだ分からないこと|確認者・日付
理由が分かった差も、分からない差も、記録の直し方は職場の承認の手順に従います。理由が分からない差は、推測で埋めずに、調べた範囲と一緒に責任者へ伝えます。
在庫を定期的に数える段取りは、物品の棚卸しは、数える前に「単位・場所・締め」を決める——数え間違いより、数え直しの手間を減らすにまとめています。
よくある失敗
- 記録の時点と数えた時点がずれたまま比べて、差を大きく見てしまう
- 先に記録の数を上書きして、あとから理由を調べられなくなる
- 分からない差を、推測で埋めてしまう
- 差の理由を、特定の人のせいだと決めつける
5. 完成例
以下は架空の例です。
品目 |基準の日時 |記録|現物|差 |確かめたこと |分かった理由 |まだ分からない|確認
部品A |10/10 10時|8 |7 |-1|数え直し・記録・場所・単位|- |1 |責任者へ 10/10
部品C |10/10 10時|12 |10 |-2|数え直し・記録 |出庫の記録漏れ2(10/3)|なし |承認の手順で記録を直す
消耗品B|10/10 10時|5箱 |60個|0 |単位 |1箱12個で一致 |なし |済 10/10
すべての差を一度に埋めようとせず、分からない差は調べた範囲と一緒に責任者へ伝えています。
6. 使うときの注意
数が合わない理由を、特定の人のせいだと決めつけないでください。差は、記録の仕組みや置き場所の決まりを見直す手がかりになります。
紛失・盗難・破損の疑いがあるときは、自分で判断せず、職場の決まった手順で責任者へ報告してください。
7. 今日できたこと
- 比べる基準の日時をそろえられた。
- 元の記録を残したまま、順番に確かめられた。
- 分かった理由と、分からない差を分けて残せた。
- 分からない差を、調べた範囲と一緒に責任者へ伝えられた。
今日は、基準の日時をそろえて差を出せただけでも十分です。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:理由が分かった差は、再発を減らす手がかりになります。分からない差は、ひとりで抱えずに伝えましょう。
やさしいAI仕事術