1. 今日の相談
「店の棚卸しを初めて任されました。何をどう数えればよいか分からず、当日に混乱しそうで不安です。数えている途中で入荷が来たらどうすればよいのでしょうか」
棚卸しで時間を取られるのは、数えることより数え直しです。単位がばらばら(箱で数えた人と個で数えた人)、場所の区切りが曖昧(同じ棚を二人が数えた)、締めの時刻がない(数えている間に入荷や出庫があった)。この三つが数え直しを生みます。
準備で決めるのは、数える単位、場所の区切りと担当、締めの時刻、記録の形、差異が出たときの扱いです。
2. 大丈夫です
ほー先輩:棚卸しで一番時間を食うんは、数えることやなくて数え直しや。単位と場所と締めを先に決めたら、数え直しは減るんやで。
単位は、台帳の品名と単位に合わせます。台帳が「個」なら個で数え、箱入りなら「箱×入数+端数」の形で記録します。
締めの時刻を決め、それ以降の入荷・出庫は棚卸しに含めず、別の記録に残します。締めを守るだけで、差異の原因の多くが消えます。
在庫の数の考え方は備品の在庫不足を、現在数・必要数・必要日から補充依頼する、置き場の整理は在庫・備品の置き場を、区画・管理条件・確認先から整理するにあります。
3. 今日使うAI・道具
使うのはChatGPTと、在庫や備品の台帳(品名と数量の記録)です。
ChatGPTには、架空の練習例から準備表と記録用紙の空欄の型だけを作らせます。実際の品名、数量、仕入先、金額は入力しません。
棚の区切りや品名を目に見える形にするラベルは、数え間違いを減らす道具です。ルールが決まってから、必要な分だけ用意します。
4. 実際にやってみる
1. 単位を台帳に合わせて決める
品名ごとに、数える単位(個、箱、本、袋)を台帳と同じにします。箱入りは「箱×入数+端数」で記録します。
2. 場所を区切り、担当を付ける
棚や区画ごとに番号を付け、一区画を一人が数えます。二人で数える場合は、一人が数え、一人が記録します。
3. 締めの時刻と、締め後の扱いを決める
締めの時刻を決め、それ以降の入荷・出庫は棚卸しに含めず、別紙に記録します。
4. 固定の練習例で空欄の型を作る
実在の店や商品とは無関係な「町内読書会の貸出用の本と備品の棚卸し」という固定の練習例だけを使い、
棚卸しの準備表と記録用紙の空欄の型を作ってください。
準備表の項目は「実施日時と締めの時刻」「場所の区切りと担当」「数える単位の決め方(台帳と同じ)」「締め後の入荷・出庫の扱い」「差異が出たときの扱い(再確認の担当と報告先)」です。
記録用紙の項目は「区画番号」「品名」「単位」「数えた数」「台帳の数」「差異」「数えた人」「確認した人」です。
品名、数量、氏名、日付は書かず、すべて空欄にしてください。
5. 差異は、その場で決めずに報告する
台帳と合わない品は、同じ人がもう一度数え、それでも合わなければ差異として記録し、責任者へ報告します。理由を推測して台帳を直しません。
5. 完成例
以下は架空例です。
準備表
棚卸し準備表
実施日時:[日付][時刻]〜 締め:[時刻](以降の入荷・出庫は別紙へ)
場所と担当:A棚[氏名]/B棚[氏名]/倉庫[氏名](記録係:[氏名])
単位:台帳と同じ。箱入りは「箱×入数+端数」で記録。
締め後の扱い:締め以降に動いた品は「締め後記録」に品名・数量・時刻を書く。
差異の扱い:同じ人が再確認→合わなければ差異欄に記入→[責任者]へ報告。台帳は直さない。
記録用紙
区画 品名 単位 数えた数 台帳 差異 数えた人 確認
A-1 [品名] 個 [数] [数] [差] [氏名] [印]
A-2 [品名] 箱 [箱]×[入数]+[端数] [数] [差] [氏名] [印]
単位が台帳と同じで、差異の扱いが先に決まっています。
6. 使うときの注意
棚卸しの結果は、経理や税務の記録に関わることがあります。差異の理由を推測で台帳に書かず、責任者の確認を通します。
食品や薬品など期限のある物は、数と一緒に期限も記録します。期限切れは数に含めるかどうかを、職場のルールで先に決めます。
高い所や重い物の確認は、無理な姿勢で行わず、二人で行うか、道具を使います。
7. 今日できたこと
- 単位を台帳と合わせられた。
- 場所を区切って担当を付けられた。
- 締めの時刻と締め後の扱いを決められた。
- 品名や数量をAIへ渡さずに済んだ。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:締めの時刻を決めて、それ以降は物を動かさん。差異は推測で直さん。この二つで、棚卸しは一回で終わるようになるで。
やさしいAI仕事術