1. 今日の相談
「共有フォルダ、メールの添付、個人のパソコンに文書が散らばっていて、どれが最新版か分かりません。同じような名前のファイルがいくつもあり、探すだけで時間がかかります」
文書を探せる形にするには、まず置き場所を三つに分けます。
- 正本:いま正しいとされている版だけを置く場所
- 作業中:作っている途中、直している途中の文書を置く場所
- 保管:使い終わった文書や、古い版を残しておく場所
この運用では、責任者が承認した、いま使う版(正本)の参照先を一つにします。ここでの「正本」は、社内で参照する正式な版のことです。
2. 大丈夫です
ほー先輩:最初から全部の文書を並べ替えなくて大丈夫です。よく使う一つの種類から始めましょう。
文書が探せない原因は、置き場所が多いことより、「どこにある物が正しいのか」が決まっていないことにあります。正本の場所が決まれば、「ほかの場所にある物は参照しない」と皆で決められます。
3. 今日使うAI・道具
- 職場の共有フォルダ(または職場が認めた保存先)
- いま散らばっている文書の一覧(人が見て作る)
- ChatGPTなどの生成AI(フォルダの分け方や、名前の付け方の案を考えるときだけ)
生成AIには、文書そのものや、文書の中の個人情報・社内の事情を入力しません。
4. 実際にやってみる
1. 最初に整える文書の種類を一つ決める
よく使い、最新版を取り違えると困る種類から始めます。たとえば、手順書、料金表、案内文の型などです。
2. 三つの置き場所を作る
(種類の名前)
├ 01_正本
├ 02_作業中
└ 03_保管
正本の場所は、直せる人を決めておくと、勝手に書き換わる心配が減ります。
3. 名前の付け方を決める
種類_内容_日付_版
例:料金表_基本プラン_20261010_v2
日付と版が名前に入っていれば、並べたときにどれが新しいかが分かります。「最新」「最終」「完成版」のような言葉は、すぐに古くなるので使いません。
4. 移す時期と担当を決める
作業中 → 正本:責任者が承認し、使い始める日になったとき(担当:責任者)。承認した日と使い始める日が違うことがあるので、両方を記録する
正本 → 保管:新しい版が正本に入ったとき、古い版を移す(担当:正本を入れた人)
5. 散らばっている文書を、決めた場所へ移す
ほかの場所にある同じ種類の文書を集め、正しい版を正本へ、途中の物を作業中へ、古い物を保管へ移します。どれが正しい版か分からない物は、責任者に確かめてから決めます。移す前に、その文書へのリンクを貼っている所や、見られる人の設定、保存の決まりに影響がないかも確かめます。
メールの添付で文書を送るときは、正本の場所を伝える形にすると、古い版が広がりにくくなります。
作業の手順そのものを正本として残すときは、正式な作業を確認して、手順書・マニュアルにまとめるが使えます。
よくある失敗
- 「最新」「最終」という名前を付けて、すぐに古くなる
- 正本を直せる人を決めず、誰でも書き換えられる
- 移す前に、リンクや閲覧の設定への影響を確かめない
- 古い版を保管へ移さず、正本の場所に残してしまう
5. 完成例
以下は架空の例です。
料金表
├ 01_正本
│ └ 料金表_基本プラン_20261010_v2
├ 02_作業中
│ └ 料金表_基本プラン_20261101_v3案
└ 03_保管
└ 料金表_基本プラン_20260401_v1
決まり:正本を直せるのは責任者だけ。新しい版を正本に入れたら、古い版を保管へ移す。
6. 使うときの注意
保存の期間や、捨ててよい時期が法令や契約で決まっている文書があります。保管の場所から消す前に、職場の決まりで確かめてください。
個人情報を含む文書は、置き場所と閲覧できる人を、とくに慎重に決めてください。
7. 今日できたこと
- 最初に整える文書の種類を決められた。
- 正本・作業中・保管の三つの置き場所を作れた。
- 名前の付け方と、移す時期・担当を決められた。
- 散らばっていた文書を、決めた場所へ移せた。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:参照先が一つに決まると、探す時間も、取り違えの心配も減らしやすくなります。今日は、よく使う一種類の参照先が決まれば十分です。
やさしいAI仕事術