1. 今日の相談
「来月、夏祭りの行事担当になったんです。受付、誘導、出し物の進行、写真の記録、片付け……係はだいたい決まってるんですけど、メモがあちこちにばらばらで。『誰が・何時に・どこで・何をするか』が一枚になっていないから、当日みんなから『私、次どこでしたっけ?』って聞かれる未来が見えていて」
行事の幹事あるあるです。係のメモ、時間割のメモ、去年の反省の走り書き——材料はそろっているのに、「当日に見る一枚」の形になっていない。作ろうとすると、表の枠を引くだけで時間が溶けていきます。
今日はその「形に整える」部分をAIに任せます。会議の進め方は会議の進行表、持ち物の抜け漏れは作業チェックリストでやりました。今日は行事当日の「人×時間帯×持ち場」を一枚にします。
2. 大丈夫です
ほー先輩:大丈夫やで。材料はもうそろってるやん。ばらばらのメモを「時間帯×係」の表に並べ直すんは、AIが得意な仕事のひとつや。ただし今日もひとつだけ約束な。個人や職場が分かる情報は、AIに渡す前に記号へ置き換えるで。
理由は2つあります。
- 職員の名前も個人情報です。職員名・施設名・行事名・具体的な日付や場所など、組み合わせると個人や職場が分かる情報は、AIに渡す前に記号へ置き換えます。係の割り振りに、本名は要りません
- そして、誰をどの係にするかは、AIには決められません。力仕事が得意な人、子どもの対応に慣れた人、その日午前だけ出勤の人——それを知っているのは職場だけ。AIが作るのは「表の形」まで、割当の判断は人の仕事です
3. 今日使うAI・道具
今日使うのは1つだけです。
- ChatGPT(無料で始められます) … ばらばらの係メモを、時間帯×係の分担表に整えてもらいます。職員名は記号(Aさん・Bさん)のまま渡します。
職場で使ってよいか(承認された環境か)の確認も、いつもどおり先に。
4. 実際にやってみる
ステップ1:手元のメモから、個人や職場が分かる情報を置き換える
きれいに書く必要はありません。職員名はAさん・Bさん、施設名や行事名は「施設A」「行事A」のように置き換えます。子どもや保護者の情報は、この表づくりではAIに渡しません。
・受付 9:30〜10:00 Aさん Bさん(10時からBさんは誘導へ)
・誘導 10:00〜11:30 Bさん Cさん
・出し物の進行 10:15〜11:15 Dさん
・記録(写真) 全体 Eさん
・救護・本部 全体 Fさん
・片付け 11:30〜12:30 全員(Aさんは受付の集計)
ステップ2:ChatGPTに、このまま頼む
次のメモを、行事当日の役割分担表に整えてください。 ①縦に時間帯、横に係(受付・誘導・進行・記録・本部・片付け)の表にしてください。 ②担当者名は記号(Aさんなど)のまま使い、勝手に増やしたり入れ替えたりしないでください。 ③メモに仕事内容が書かれている係だけ、「主な仕事内容」を1行で添えてください。メモにない仕事は作らず「要確認」と書いてください。 ④引き継ぎが発生する箇所(人が係を移る時間)が分かるようにしてください。
【メモ】(ここに貼る)
ステップ3:返ってきた表を、職場の目で仕上げる——ここからは人の仕事
- 割当が現実に合っているかを確認します。「Bさん、受付から誘導への移動がぎりぎり」「この時間、救護が手薄」——気づけるのは現場を知る人だけ
- 実名への書き戻しは、AIの画面ではしません。職場で承認された書類や管理システムへ移すときだけ、必要な範囲を正確な情報へ戻します
- 「要確認」と書かれた欄は、そのままにせず担当会議で埋めます
ほー先輩:AIの表は「下書きの枠」や。埋まってない欄と、人の動きの無理は、職場の目でしか見つからへんで。
5. 完成例
架空の例で見てみましょう。ステップ1のメモから、こんな表が返ってきます。
アフター(ChatGPTが整えた分担表・抜粋)
| 時間帯 | 受付 | 誘導 | 進行 | 記録 | 本部・救護 |
|--------------|-----------|-----------|--------|-------|-----------|
| 9:30-10:00 | Aさん・Bさん | — | — | Eさん | Fさん |
| 10:00-10:15 | Aさん | Bさん・Cさん | — | Eさん | Fさん |
| 10:15-11:15 | Aさん | Bさん・Cさん | Dさん | Eさん | Fさん |
| 11:30-12:30 | Aさん(集計) | 片付け:全員(Aさんは受付集計) |
★引き継ぎ:10:00 Bさんが受付→誘導へ移動(受付はAさん1名に)
★要確認:11:15以降も進行係が必要か/各係の主な仕事内容
「10時にBさんが移動したあと、受付が1人になる」——メモの段階では気づきにくかったことが、表になると見えてきます。ここに気づいて直すのが、人の仕事です。
6. 使う前に確認したいこと
守る線を3つだけ。職員名や施設名など、個人や職場が分かる情報は置き換え、復元は職場で承認された書類や管理システムの中だけ。行事に参加する子どもや保護者の情報(配慮が必要な子の対応など)は、この表づくりではAIに渡さない——必要なら職場の承認済みの記録の側で管理します。そして最終の割当と当日の変更判断は、職場で。
分担表が一枚になったら、作業チェックリストで持ち物・準備物側も固めると、当日の「あれどこ?」がさらに減ります。
7. 今日できたこと
- ばらばらの係メモが、時間帯×係の一枚の表になった。
- 職員名を記号のままAIに渡す、という安全な下書きのやり方を覚えた。
- 表から「人の動きの無理」を見つけて直すのは職場の仕事、という分担が分かった。
来年の行事も、同じメモの取り方から10分で作れます。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:行事の幹事はな、当日いちばん動く人や。そやからこそ、準備の「表の清書」みたいな仕事はAIに任せて、あなたは当日の人の動きを頭の中で歩いてみることに時間を使ったらええ。分担表が一枚あると、みんなが自分で動けるようになる。幹事のあなたが、いちばん楽になるんやで。
やさしいAI仕事術