1. 今日の相談
「毎月末の報告書が憂うつなんです。集計自体は表計算でできてるんですよ。売上とか、来客の件数とか、前月との差とか。でもそれを『文章』にするのが苦手で。数字を並べただけだと『で、どうだったの?』と言われるし、かといって何を書けばいいのか。毎月、最後のひと仕事が重い」
これは業種を問わない月末の風物詩です。数字はある。でも報告は文章を求められる。この「表→ことば」の変換が、実はいちばん時間を食います。
今日は、確定した集計値から報告のことばを作ります。ただし、数字を扱うからこそ、AIとの分担を最初にはっきりさせます。
2. 大丈夫です
ほー先輩:大丈夫やで。あなたの集計は終わってる——つまり材料は揃ってるんや。AIに頼むのは「数字を読める順番に並べ直す」とこだけ。ほんで今日いちばん大事な約束:AIに数字を作らせない・変えさせない・解釈を断定させない。数字の主導権は、最後まであなたが持つで。
線引きを最初に。
- 渡すのは、確定した集計値だけ。個人の成績や、個人が特定できる内訳(誰が何件、など)は渡しません。「全体で◯件」「前月比+◯件」のレベルまで
- AIは計算も推測もさせない。前月比や割合も、自分で計算して渡します。AIが計算や推定で数字を「補う」と、報告に事実でない数字が混ざります
- 「なぜ増えたか・減ったか」の理由の断定はさせません。現場の事情を知っているのはあなたです。AIには「考えられる観点」まで
3. 今日使うAI・道具
今日使うのは1つだけです。
- ChatGPT(無料で始められます) … 確定済みの集計値を、報告書の文章の形に並べ直してもらいます。個人情報・未確定の数字は入力しません。
職場で使ってよいか(承認された環境か)の確認も、いつもどおり。
4. 実際にやってみる
ステップ1:確定した集計値を、箇条書きにする
【架空の例・雑貨店の月次】
・今月の売上:前月比 +8%(セール実施が要因と担当は見ている)
・来客数:1,240件(前月 1,150件)
・オンライン注文:320件(前月 290件)
・返品・交換:12件(前月 15件)
すべて確定した数字であること、個人が特定できる内訳がないことを確認します。会社名・店名も書かなくて大丈夫です。
ステップ2:ChatGPTに、文章化を頼む
月次報告の文章を作ります。確定済みの集計値を渡します。 ①「全体のまとめ(2〜3行)」→「項目ごとの実績」→「来月に向けて確認したいこと」の順にしてください。 ②渡した数字だけを使ってください。計算・推定で数字を作ったり、丸めたりしないでください。 ③増減の理由は、私のメモにある場合だけ書き、それ以外は断定せず「要確認」としてください。 ④読み手は忙しい上司です。結論を最初に、簡潔にしてください。
【今月の集計値】(ここに貼る)
ステップ3:数字を全数照合してから、提出する——ここが本体
- 出てきた報告文の数字を、元の集計表と1つずつ照合します。AIは桁や単位をうっかり変えることがあります。ここだけは指差し確認
- 「要確認」と残った増減の理由は、あなたが現場の事実で埋めます。分からなければ「要因は確認中」と正直に
- 提出の形式(様式・宛先)は職場のルールどおりに
5. 完成例
架空の集計から、こんな報告文になります。
アフター(ChatGPTが整えた報告文・抜粋)
【今月のまとめ】
売上は前月比+8%となりました。セールの実施が要因と見ています。
来客数・オンライン注文とも前月を上回り、返品・交換は減少しました。
【実績】
・来客数:1,240件(前月 1,150件)
・オンライン注文:320件(前月 290件)
・返品・交換:12件(前月 15件)
【来月に向けて】
・セール終了後の来客数の推移を確認
数字はすべて渡したものだけ。「で、どうだったの?」への答え(まとめ)が最初に来ている——これが読まれる報告の形です。
6. 使う前に確認したいこと
この使い方の値打ちは、月末の「最後のひと仕事」が軽くなることに加えて、報告の形が毎月そろうことです。同じ構成で続くと、読み手は前月との違いをすぐつかめます。
守る線をもう一度。渡すのは確定した集計値だけ・個人の内訳は渡さない・AIに数字を作らせない・提出前に元の表と全数照合・理由の断定はさせない。数字の信用は報告の信用そのものです。
集計そのものを整えるには表・箇条書きへの整理、集計の計算式にはExcelの数式をAIに聞くが使えます。
7. 今日できたこと
- 確定した集計値から、結論が最初に来る報告文を作れた。
- 数字はAIに作らせない・提出前に全数照合、という数字の守り方が分かった。
- 毎月同じ構成で報告できる型が手に入った。
来月の月末は、集計が終わった時点で報告も半分終わっています。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:報告書ってな、頑張った一か月を「伝わる形」にする仕事や。数字を並べるだけやと頑張りは伝わらへんし、飾りすぎると信用を失う。事実の数字に、読める順番——それだけで、あなたの一か月はちゃんと伝わるで。
やさしいAI仕事術