1. 今日の相談
「新しいスタッフに『朝一でPOS確認して、定番を前出しして』と伝えたら、困った顔をされました。私たちには普通の言葉でも、初めての人には意味が分かりません。毎回説明する内容を一枚にしたいです」
社内用語や略語は、仕事を速くする一方で、新しい人を置いていくことがあります。まずはよく使う言葉・短い意味・使う場面の3列だけで始めます。
2. 大丈夫です
ほー先輩:全部の言葉を集めんでええ。今日よく出た言葉を五つだけ。意味はAIに決めさせず、職場のみんなで確かめよか。
AIは用語の並びを整える役です。職場固有の意味、例外、正しい手順は知りません。定義を確定するのは、その業務を担当する人と責任者です。
3. 今日使うAI・道具
- ChatGPT … 実際の職場用語を入力せず、用語・意味・使う場面・確認先を並べる空の表だけを作ります。
顧客名、取引先名、価格体系、内部システム名、認証・防犯情報、公開していない仕組みはAIへ入れません。載せてよいか迷う言葉は、先に責任者へ確認します。
4. 実際にやってみる
ステップ1:よく出る言葉を5つ集める
前出し:棚の奥の商品を手前にそろえること
定番:いつも同じ棚で扱う商品
朝礼メモ:開店前に全員で確認する連絡
用語A:(説明はまだ・要確認)
略語B:(説明はまだ・要確認)
ステップ2:AIへ空の用語集だけを頼む
実際の職場用語・略語・内部システム名・手順を入力せずに使える、 職場用語集の空の表を作ってください。 列は「用語」「やさしい説明」「使う場面」「似た言葉との違い」 「してはいけない誤解」「確認先」「更新日」とします。 正式名称や意味を推測せず、人が記入していない欄は「要確認」と残せる形にしてください。
空の表を必要な人だけが見られる職場文書へ移し、実際の用語、意味、使う場面、確認先は規程・手順書・担当者の確認結果から人が記入します。実際の用語メモをAIへ戻しません。
ステップ3:職場で読み合わせる
担当者が一語ずつ確認し、部署や場面で意味が違う言葉には注記を付けます。最後に責任者、更新日、次の見直し日を書きます。
同じ意味の言い換えや、似た略語がある場合は「この職場ではどちらを使うか」を決めます。検索しやすいよう旧称や別名は参照語として残し、別々の定義を作りません。
ステップ4:「今も使う言葉」だけを残す
新しい人に一度使ってもらい、意味が似ている言葉、説明が長すぎる言葉、もう使わない言葉に印を付けます。廃止した呼び名は消すだけでなく、「旧称。現在は○○を使う」と一定期間残すと、古い資料を読むときに迷いにくくなります。
手順や担当が変わったときは、用語集だけでなく元の規程・手順書を先に更新します。用語集を業務ルールの正本にせず、定義ごとに確認先を示します。
5. 完成例
| 用語 | 短い意味 | 使う場面 | 確認先 |
|---|---|---|---|
| 前出し | 棚の奥の商品を手前にそろえること | 売り場の整え | 売り場担当 |
| 定番 | いつも同じ棚で扱う商品 | 品出し・発注 | 売り場担当 |
| 朝礼メモ | 開店前に全員で確認する連絡 | 出勤時 | 当日の責任者 |
| 用語A | 要確認 | 要確認 | 責任者 |
| 略語B | 要確認 | 要確認 | 責任者 |
AIが知らない言葉を「要確認」のまま残すことも、用語集の大事な品質です。
6. 使う前に確認したいこと
用語集に載っていることと、社外へ公開してよいことは別です。社外秘、個人情報、顧客・取引先情報、価格や契約、防犯・認証情報は、承認された資料の側で管理します。作業手順が必要な言葉は、手順書の記事へ分けます。
用語集の対象者も明記します。全員向け、特定の担当向け、新人向けを一冊に混ぜると、見てよい情報の範囲が曖昧になります。必要な人だけが見られる場所に置き、更新担当と見直し日を表紙にも書きましょう。
紙、共有ファイル、研修資料へ複製する場合は、更新通知と旧版の回収方法も決めます。複数の用語集が残ったときに、どれが最新か日付だけでなく正本の場所から判断できるようにします。
7. 今日できたこと
- 新しい人がつまずきやすい言葉を、一枚に集められた。
- AIに意味を作らせず、分からない言葉を「要確認」で残せた。
- 更新日と確認先を入れ、古くなりにくい用語集にできた。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:知らん言葉があるんは、その人のせいやない。説明する側が地図を渡せたら、質問もしやすくなる。ええ受け入れ準備やで。
やさしいAI仕事術