1. 今日の相談
「新しい事業を始めることになりましたが、手続きや書類が多そうで、何をそろえればよいか分かりません。どこに確かめればよいかも分からず、不安です」
始める前の準備は、五つの区分に分けて一覧にすると、全体が見えてきます。
- 決まり:社内のルール、お客様との約束事(利用規約・キャンセルの決まりなど)
- 書類:申込書、契約書、見積書、請求書などの様式
- お金:値段、支払の方法、口座、記帳のしかた
- 情報の扱い:お客様の情報をどこに、どう保管するか
- 許認可や届出:事業の内容によって必要になる許可・登録・届出
そのうえで、どの項目にも「確認先」と「回答の記録」を付け、開始前に終わらせる必要があるかを分けます。
この記事で扱うのは、準備の一覧の作り方です。個人で開業する手続きや、会社を作る手続きの具体的な一覧ではありません。
2. 大丈夫です
ほー先輩:全部の手続きを知っている必要はありません。分からない所を「確かめること」として一覧に書けば、それで準備は始まっています。
なぜ確認先を区分ではなく、項目ごとの欄にするのか:確認先は、決まり・書類・お金などのどの項目にも関わります。区分の一つにしてしまうと、項目ごとに誰に確かめるかが抜けやすくなります。
必要な手続きは、事業の内容、場所、規模、法人か個人か、人を雇うかどうかによって変わります。手続きの要否は、専門家と公式の窓口で確かめてください。
3. 今日使うAI・道具
- 表計算ソフト(一覧を作る)
- 事業の計画(誰に・何を・いくらで、が分かるもの)
- ChatGPTなどの生成AI(項目の抜けを見つける相談をするときだけ)
生成AIの答えは、手続きの要否を決める根拠にはなりません。AIが挙げた項目は、必ず専門家や公式の窓口で確かめます。
4. 実際にやってみる
1. 五つの区分で、思いつく項目を書き出す
決まり :社内の担当と承認の流れ/お客様向けの利用規約/キャンセルの決まり
書類 :申込書/見積書/契約書/請求書/領収書の様式
お金 :値段の決め方/支払の方法と期限/入金の口座/記帳のしかた
情報の扱い :お客様の情報の保管場所/見られる人/捨てる時期
許認可や届出:その事業に許可・登録・届出が必要か/税の届出/人を雇うときの手続き
最初は抜けがあっても構いません。生成AIに一般的な項目の例を聞き、抜けがないかの参考にします。
2. どの項目にも、確認先を付ける
確認先は、用途によって変わります。目安は次のとおりです。
・税の届出のこと → 税務署・税理士
・人を雇うときの手続きのこと → 関係する窓口・社会保険労務士
・許認可・登録のこと → その事業を所管する窓口・行政書士
・契約書や利用規約の内容のこと→ 弁護士など
どこに確かめればよいか分からないときは、まず自治体や商工会議所などの相談窓口で、確認先を聞く方法もあります。
3. 「開始前に必要か」を分け、期限と担当を付ける
項目ごとに、始める日までに終わらせる必要があるかを書きます。届出などには、出す時期が決まっているものがあります。開始前に必要なものから、期限と担当を付けて進めます。未確かめのまま開始日を迎えないようにします。
4. 確かめた結果を、条件と一緒に残す
確かめたら、誰に、いつ、何を確かめたかを残します。あわせて、そのとき伝えた事業の内容・場所・条件と、根拠になった資料も書いておきます。条件が変わると、答えが変わることがあるためです。
5. 始めたあとも、見直す日を決める
始めてから分かることもあります。最初の1か月が終わったときなど、一覧を見直す日を決めます。
計画のまとめ方は新しい事業の計画を1枚にまとめる——誰に・何を・いくらで・数字の見込み、業務の流れの決め方は新しい業務の流れを、受付から完了まで書き出して役割を決めるにまとめています。
よくある失敗
- 確認先を書かずに項目だけ並べ、誰に聞くかが決まらない
- 確かめた結果を口頭だけで終わらせ、あとで内容が分からなくなる
- 確かめたときの条件を書かず、事業の内容が変わっても前の答えのまま進める
- 開始前に必要な項目が、未確かめのまま開始日を迎える
AIへの頼み方の例
新しい事業を始める前に確かめることの、一般的な項目の例を「決まり」「書類」「お金」「情報の扱い」「許認可や届出」に分けて挙げてください。手続きが必要かどうかは判断せず、確かめる先の種類だけを添えてください。
5. 完成例
以下は架空の例です。
【始める前の準備の一覧(11月1日開始)】
区分 |項目 |開始前に必要|確認先 |期限 |担当|結果(日付・相手・条件・資料)
決まり |キャンセルの決まり |必要 |専門家に一度 |10/20|A |案あり
書類 |申込書・見積書の様式|必要 |- |10/20|A |済
お金 |記帳のしかた |必要 |税理士 |10/25|B |確認中
情報 |お客様の情報の保管 |必要 |- |10/25|B |未
許認可等|許可・登録が必要か |必要 |所管の窓口 |10/15|A |10/12 窓口へ確認(伝えた事業の内容・場所・規模と、示された資料を記録)
許認可等|税の届出 |要確認 |税務署・税理士|10/15|B |未
6. 使うときの注意
この一覧は、準備の抜けを減らし、確かめる先を整理するためのものです。手続きが必要かどうか、どの書類が必要かは、事業によって違います。必ず専門家と公式の窓口で確かめてください。
確かめた結果は、口頭のやりとりだけで終わらせず、日付・相手・伝えた条件・根拠の資料を記録に残してください。
7. 今日できたこと
- 準備の項目を、五つの区分に分けて書き出せた。
- どの項目にも、確認先を付けられた。
- 開始前に必要かどうかを分け、期限と担当を付けられた。
- 確かめた結果を、条件と一緒に残す欄を作れた。
今日は、五つの区分に一つずつ項目を書けただけでも十分です。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:準備の一覧ができると、不安が「やること」に変わります。確かめる先に、一つずつ聞いていきましょう。
やさしいAI仕事術