1. 今日の相談
「新しい事業を考えていますが、やりたいことが多く、頭の中でまとまりません。人に説明しようとしても、うまく伝えられません」
新しい事業の計画は、最初は1枚にまとめます。書く欄は次のとおりです。
- 誰に:どんな人・会社の、どんな困りごとに向けたものか
- 何を:何を提供するか
- いくらで:いくらで、どう払ってもらうか
- どう届けるか:どうやって知ってもらい、申し込んでもらうか
- 数字の見込み:売上と費用の見込み、その根拠
- まだ確かめていないこと:分かっていないこと、確かめる方法
1枚には概要を書き、詳しい条件は別の紙にまとめます。書けない欄が、まだ決まっていない所の手がかりになります。
2. 大丈夫です
ほー先輩:最初から立派な計画書を作らなくて大丈夫です。1枚の欄を埋めるところから始めましょう。
この記事では、計画を「何を確かめればよいかを見つけ、小さく試す」ための、初めの検討の用途で使います。資金を借りるための計画書など、決まった様式があるものとは別です。
資金の借り入れ、補助金、税金、会社の手続き、許認可などは、計画の内容によって必要なことが変わります。金融機関、税理士、行政書士、自治体の窓口などの専門家に確かめてください。
3. 今日使うAI・道具
- 表計算ソフト(数字の見込みを書く)
- 紙、または文書作成ソフト(1枚の計画を書く)
- ChatGPTなどの生成AI(欄の見出しの案や、考えの抜けを見つける相談をするときだけ)
生成AIには、まだ外に出していない事業の考えのうち、社外秘にしたいことは入力しません。AIの出した数字や市場の話は、そのまま使わず、元の資料で確かめます。
4. 実際にやってみる
1. 「誰に」を一つに絞る
最初に、いちばん困っている相手を一人(一社)思い浮かべます。「中小企業」のように広くせず、「月末の事務作業に追われている、社員10人ほどの会社の総務担当」のように、場面が浮かぶところまで絞ります。
2. 「何を」「いくらで」を書く
その相手の困りごとに対して、何を提供するかを1〜2行で書きます。値段は、仮でもよいので書きます。決められないときは、「〇円〜〇円で、確かめる」と幅で書きます。
3. 「どう届けるか」を書く
相手にどうやって知ってもらい、どうやって申し込んでもらうかを書きます。最初は、すでにつながりのある相手への紹介など、小さく始められる方法で構いません。
4. 数字の見込みを、根拠と一緒に書く
項目|見込み|根拠(どうしてその数字か)
1か月の申し込み数|〇件|(例:つながりのある〇社に声をかけ、〇社が関心を示した)
1件あたりの売上|〇円|(仮の値段)
1か月の費用|〇円|(道具の費用、外に頼む費用など)
根拠が書けない数字は、「仮」と書いて、確かめることの欄に入れます。関心を示してもらえたことと、申し込んでもらえることは別です。申し込みの数は、値段を示した提案で確かめるまでは仮の数字にします。
5. まだ確かめていないことを、順番に並べる
確かめること|確かめる方法|いつまでに
本当にこの困りごとがあるか|〇社に話を聞く|〇月〇日
この値段で申し込んでもらえるか|試しに〇社に提案する|〇月〇日
始めるのに必要な手続き|〇〇の窓口に確かめる|〇月〇日
いちばん大事な疑問から先に確かめます。
新しい業務の流れの書き出し方は、新しい業務の流れを、受付から完了まで書き出して役割を決める、始める前にそろえるものは、事業を始める前にそろえる、ルール・書類・確認先の一覧を作るにまとめています。
よくある失敗
- 「誰に」を広くしすぎて、場面が浮かばない
- 根拠のない数字を、見込みとして書いてしまう
- 関心を示してもらえたことを、申し込みと取り違える
- 確かめることを並べたまま、期限と方法を決めない
5. 完成例
以下は架空の例です。
【1枚の計画】月末の事務を軽くする支援(仮)
誰に :社員10人ほどの会社で、月末の集計に追われている総務担当
何を :集計の表の形をそろえ、使い方の手順書を作る
いくらで:1件 〇円(仮・幅を確かめる)
どう届けるか:知り合いの会社3社に声をかける → 試しに1社
数字の見込み(すべて架空・仮):単価 30,000円 × 1か月 1件 = 売上 30,000円
費用:始めるとき 20,000円/毎月 5,000円/1件の作業 約7時間
申し込み数は未確かめ(2社が関心=申し込みではない)
まだ確かめていないこと:
1. 本当に困っているか → 2社に話を聞く(10月末まで)
2. この値段で頼んでもらえるか → 1社に試しに提案(11月中旬まで)
3. 必要な手続き → 専門家に確かめる(11月中)
6. 使うときの注意
この1枚は、考えをまとめ、確かめる順番を決めるためのものです。資金を借りる、補助金を申し込む、会社を作るなどのときには、それぞれ決まった様式や審査があります。専門家や窓口に確かめてください。
数字の見込みは、見込みであって約束ではありません。人に説明するときも、根拠と「見込み」であることを一緒に伝えてください。
7. 今日できたこと
- 「誰に」を、場面が浮かぶところまで絞れた。
- 何を・いくらで・どう届けるかを1枚に書けた。
- 数字の見込みを、根拠と一緒に書けた。
- まだ確かめていないことを、順番に並べられた。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:1枚の計画ができたら、取りかかれそうな疑問を一つ、確かめてみましょう。小さく確かめた結果が、次の計画の材料になります。
やさしいAI仕事術