1. 今日の相談
「ChatGPT、使い始めたんです。でも『お知らせの文章を書いて』って頼んだら、なんだか大げさな文章が出てきて。私が欲しかったのはもっと普通のやつで……結局自分で書き直しました。頼み方が悪いんでしょうか」
AIは、材料にない内容もそれらしく補うことがあります。詳しく頼んでも、事実・制度・判断が正しくなる保証はありません。必要なのは長い呪文ではなく、AIへ渡す範囲、人が決める範囲、確認元を分けることです。
この「なんか違う」を卒業したい、というのが今日の相談です。
2. 大丈夫です
ほー先輩:AIを人や専門家と同じやと思わんことが大切や。目的、許可済みの材料、出力、決めさせないこと、確認元を分けよな。
今日は、読む相手と目的/使ってよい材料/欲しい出力/AIに決めさせないこと/確認元の五つを分けます。足りない情報は推測で埋めさせず、「要確認」として返してもらいます。
3. 今日使うAI・道具
今日使うのは1つだけです。
- ChatGPT(無料で始められます) … 頼み方の練習相手。何回失敗しても怒りません。
準備はそれだけ。あとは五つの欄を順に埋めます。
4. 実際にやってみる
五つの欄を、ひとつずつ見ていきましょか。
その1:読む相手と目的を伝える
誰が読み、読んだあと何を確認・判断・行動できればよいかを書きます。「専門家として」と役割を与えても資格や正確性は生まれないため、役割指定を根拠にはしません。
その2:使ってよい材料だけを渡す
目的・データ・利用環境の許可を確認します。名前をAさんへ変えても、案件・日時・場所・金額・珍しい出来事の組み合わせから対象が分かる材料は渡しません。許可が不明なら、実務と無関係な架空例だけを使います。
その3:欲しい出力を指定する
「300字くらいで」「箇条書きで」「やわらかい話し言葉で」。形の注文は遠慮なく。ここを言わないと、AIは張り切って長く書きがちです。
その4:AIに決めさせないことを書く
事実、数字、制度、責任、公開可否、承認、金額、期限等、AIが決めてはいけない項目を明記します。材料にない内容は足さず、「要確認」と残してもらいます。
その5:確認元と確認者を決める
予定表、承認済み原稿、規程、公式情報等の正本と、確認する担当者を決めます。
五つをそろえると、こうなります
実務と無関係な架空のお店を想定します。 読む相手と目的:常連のお客様が休業日と再開日を確認できる掲示の練習。 使ってよい材料:架空の休業日8月13日〜15日、再開日8月16日。 出力:5行以内、親しみやすく丁寧な下書き。 決めさせないこと:曜日、理由、連絡先、特典、約束を足さない。 確認:実務へ使う際は承認済み予定表と責任者が全項目を確認。
ほー先輩:一発で決めようとせんでええからな。出てきた答えに「もっと短く」「もっとやさしく」って重ねるのも、立派な頼み方のうちや。
5. 完成例
同じお願いを、頼み方だけ変えて比べてみます。
ビフォー(条件の分離なし)
夏休みのお知らせを書いて
→ 返ってきたのは「拝啓 盛夏の候…」で始まる、会社の公文書みたいな長文。悪くはないけれど、うちの店の壁には貼れません。
アフター(五つの欄を分けた架空例)
いつもありがとうございます。
まことに勝手ながら、8月13日〜15日は
夏季休業とさせていただきます。
8月16日からは通常どおり営業いたします。
これは架空例です。条件を分けても、AIが材料外の文言や強い約束を足すことはあります。上の例では許可済み材料にない曜日・理由・特典・連絡先を足していないことを確認しました。実務では承認済み予定表と照合し、日付、営業再開、対象者、掲示場所を人が確認します。
近い場面の記事として、AIの頼み方と禁止事項の伝え方もあります。
6. 使うときの注意
五つの欄があると、答えが目的から外れたときに、材料・出力・人の判断・確認元のどこが足りなかったか見直しやすくなります。慣れてきても、入力許可の確認や正本照合を省きません。
AIは足りない情報を、それらしい内容で埋めることがあります。出てきた答えに渡していない情報が混ざっていたら、材料不足のサインです。知らない事実を削り、分からない箇所は「要確認」と残します。
7. 今日できたこと
今日できたことを、言葉にしておきますね。
- 読む相手と目的、許可済み材料、出力を分けられた。
- AIに決めさせないことと確認元を先に書けた。
- 材料にない内容を「要確認」として残す流れを作れた。
ほかの記事のプロンプトでも、許可済み材料、決めさせないこと、確認元が欠けていないか確かめて使います。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:頼み方を整えても、AIの答えが正しい保証にはならへんで。許可済み材料だけを使い、決めさせないことと確認元をセットにしよな。
やさしいAI仕事術