1. 今日の相談
「打ち合わせが終わったあと、確認メールを書こうとすると会話の要約になって長くなります。結局、誰が何をするのか分かりにくくなります」
打ち合わせ後のメールは、話した順番を再現する文章ではありません。決まったこと、担当、期限、まだ決まっていないことを、相手ともう一度そろえる連絡です。
AIはメモを分類して文章に整える助けになります。ただし、担当者や期限を推測させてはいけません。元のメモにない内容は「要確認」のまま残し、人が確かめます。
2. 大丈夫です
ほー先輩:全部をきれいにまとめんでもええで。次に動くための四つだけ、見える形にしよ。
打ち合わせの内容を忘れないうちに、箇条書きで材料を置きます。文章の上手さより、事実を混ぜないことが大切です。
正式な議事録が必要な会議では、職場の様式を優先します。このメールは議事録の代わりではなく、相手との認識を確かめるための連絡です。
3. 今日使うAI・道具
使うのはChatGPTと、打ち合わせ中に自分で取ったメモです。AIには実際のメモを渡さず、空の確認メールの型だけを作らせます。会社名・氏名・連絡先・未公開の商品や案件・金額・具体的な日時や場所は、承認されたメール画面で人が入力します。
録音や自動文字起こしを使った場合も、聞き間違いが含まれる前提で元の記録と照らします。参加者へ無断で録音したデータをAIへ渡しません。
4. 実際にやってみる
1. メモを四つに分ける
「決まったこと」「担当と期限」「相手へ確認すること」「未決定」に分けます。どこにも入らない雑談は、確認メールから外して構いません。
2. 担当と期限に根拠があるか見る
名前や日付が元メモに書かれているか確認します。「たぶんAさん」「来週くらい」は勝手に補わず、要確認へ移します。
3. AIへ空のメール様式だけを頼む
次のように伝えます。
実際の打ち合わせ内容を入力せずに使える、確認メールの空の様式を作ってください。
項目は「決まったこと」「担当と期限」「確認したいこと」「未決定」とします。
担当・期限・理由・約束を推測せず、人が記入していない欄は「要確認」と残せる形にしてください。
末尾に「認識違いがあればお知らせください」という確認文を置いてください。
返ってきた空の様式を承認されたメール画面へ移し、元メモを見ながら人が記入します。実際の決定事項、担当、期限、相手情報をAIへ戻しません。
4. 元メモと一行ずつ照らす
決定事項、担当、期限、金額を元メモと照らします。AIが自然に足した約束や理由は削除します。
5. 相手が直せる形で送る
断定だけで終わらず、「認識違いがあればお知らせください」と添えます。相手の合意が必要な内容は、返信をもって確定とします。
5. 完成例
以下は架空の例です。
件名:本日の打ち合わせ内容の確認
B様
本日はありがとうございました。
次のとおり、決まったことと今後の対応を確認いたします。
【決まったこと】
・案内ページは、現在の原稿をもとに修正する
【担当と期限】
・当方:修正版を7月22日までに共有する
・B様:掲載画像を3点ご用意いただく
(期限は要確認)
【確認したいこと】
・公開希望日は7月末でよいか
【未決定】
・追加ページの有無
認識違いや不足がありましたら、お知らせください。
よろしくお願いいたします。
期限がメモにない項目を、AIが推測して埋めていません。「要確認」が残ることで、次に確かめることが分かります。
場面別の確認メール例(そのまま使えます)
[ ] の中を、自分のメモから写してください。打ち合わせ当日か翌営業日までに送ると、認識のずれが小さいうちに直せます。
① 決まったことが多いとき(基本の形)
件名:[日付][打ち合わせ名]の確認
[相手名]様
本日はお時間をいただき、ありがとうございました。
下記のとおり確認いたします。相違がございましたらお知らせください。
【決まったこと】
・[決定事項1]
・[決定事項2]
【当方の宿題】
・[やること]([期限]までに[誰]が)
【[相手]様の宿題】
・[やること](期限は要確認)
【次回】[日時/未定なら「調整いたします」]
② 決まらなかったとき
本日はありがとうございました。
現時点での状況を整理いたします。
【合意できた点】
・[あれば書く/なければ「前提の共有まで」]
【引き続き検討する点】
・[論点]([誰]が[いつ]までに持ち帰り)
【次回までに必要なもの】
・[資料・確認事項]
次回は[日時候補]でいかがでしょうか。
決まらなかった打ち合わせこそ、何が論点で誰が持ち帰るかを残すと次が早くなります。
③ 金額・条件の話が出たとき
【本日うかがった条件】
・[項目]:[金額・条件]([日付]時点のお話として)
上記は口頭でうかがった内容の記録です。
正式なお見積もりを[日付]までにご提出いたします。
口頭の金額は「うかがった内容の記録」と明示します。合意したことにしません。
④ 認識が違っていたと後で気づいたとき
先ほどお送りした確認メールについて、1点訂正させてください。
【誤】[書いた内容]
【正】[正しい内容]
私の聞き違いでした。失礼いたしました。
他の項目に相違がないか、あわせてご確認いただけますと幸いです。
訂正は早いほど傷が浅くなります。前のメールを消さず、訂正版を送ります。
⑤ 相手から返事が来ないとき(催促ではなく確認)
件名:[日付]の確認事項について
[日付]にお送りした確認事項について、
[期限]が近づいてまいりましたので、念のためご連絡いたします。
・[確認したい項目]
行き違いでしたら申し訳ございません。
ご都合のよいときにご確認いただけますと幸いです。
確認メールに書かないほうがよいこと
- 話し合いの全部— 議事録ではありません。決まったことと次の行動だけで十分です
- 推測で埋めた期限— メモにない期限は「要確認」のまま送ります
- 相手の発言の評価(「ご懸念はもっともですが」)— 事実の確認に徹します
- 社内だけの検討内容— 相手に送るメールに、自社の判断過程は書きません
- 決まっていないことを決まったように書く— 後で「そんな話はしていない」となる原因の大半がこれです
6. 使うときの注意
AIが作った文章だけを見て送らず、元メモと照合します。価格、納期、契約条件、責任分担は、権限のある担当者が確認します。
会議のメモから決定事項と宿題を先に抜き出す場合は、決定事項・ToDoを抜き出す方法が使えます。正式な議事録を作る場合は、議事録の下書きを作る方法へ進んでください。
7. 今日できたこと
- 打ち合わせの内容を四つに分けられた。
- 担当と期限を元メモで確認できた。
- 未決定を決まったことのように書かず、要確認で残せた。
- 相手が認識違いを直せる確認メールにできた。
長い要約を作るより、次に誰が何をするかをそろえる方が、打ち合わせ後の連絡には役立ちます。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:きれいなまとめより、次の一歩が同じかどうかや。決めてへんことは、決めたふりせんと確かめよな。
やさしいAI仕事術