1. 今日の相談
「職場の申請ルールが変わります。変更点を全部書いたら長くなり、短くしたら大事な条件が抜けそうです」
社内ルール変更の案内は、規程全文をそのまま貼る文書ではありません。なぜ変わるか、いつから、誰が対象か、何が変わるか、困ったとき誰に聞くかを入口として示します。
AIは実際の決定資料を入れずに、案内の空の骨組みを作る用途に限ります。例外や経過措置を推測させず、正式な規程・決裁済み資料から人が記入・照合します。
2. 大丈夫です
ほー先輩:全部を一枚に押し込まんでもええで。まず「自分は何を変えるんか」が分かる入口を作ろ。
案内文と正式ルールの役割を分けます。案内文は変更の全体像と行動、正式ルールは細かな条件の正本です。リンクや保管場所を示せば、案内文を無理に長くしなくて済みます。
まだ承認されていない案は「検討中」と明記し、確定のお知らせとして出しません。
3. 今日使うAI・道具
使うのはChatGPT、決裁済みの変更資料、現在の規程、問い合わせ先一覧です。AIは実際の規程・変更内容を含まない空の案内様式を作る用途に限り、社員情報、未公表の人事、認証情報、内部ルール、開始日、対象者はAIへ渡しません。
4. 実際にやってみる
1. 五つの情報を正本から拾う
変更理由、開始日、対象者、変更点、問い合わせ先を拾います。例外や移行期間がある場合は、六つ目として分けます。
2. 変わらないことも一つ確認する
読者が誤解しそうな場合は「申請先は変わりますが、承認者は変わりません」のように、変わらない範囲も示します。
3. AIへ空の案内様式を頼む
実際の職場情報を入力せずに使える、社内ルール変更案内の空の様式を作ってください。
項目は「変更の理由」「開始日」「対象者」「変わること」「変わらないこと」「正式ルールの保管場所」「問い合わせ先」とします。
例外、猶予期間、罰則、対象者、承認者を推測せず、未確認事項を「要確認」と残せる形にしてください。
できた空の様式を承認された社内文書へ移し、決裁済み資料と現在の規程から人が記入します。実際の規程・変更内容をAI画面へ戻しません。
4. 「誰が何をするか」を読み直す
対象者が、自分の次の行動を一読で分かるか確認します。申請方法が変わるなら、旧方法をいつまで使えるかも正本で確認します。
5. 正式資料と一行ずつ照らす
日付、対象範囲、例外、問い合わせ先、リンクを照合します。承認者の確認を受けてから周知します。
5. 完成例
以下は架空の例です。
件名:経費申請方法の変更について(8月1日から)
8月1日から、経費申請の提出方法を変更します。
【変更の理由】
申請状況を確認しやすくし、紙の紛失を防ぐためです。
【対象者】
全スタッフ
【変わること】
紙の申請書から、社内フォームでの提出に変わります。
【変わらないこと】
申請期限と承認者はこれまでどおりです。
【移行期間】
要確認
【問い合わせ先】
操作方法:総務窓口
ルールの確認:社内ポータル「経費申請規程」
移行期間が決定資料にないため、AIが勝手に日付を作らず「要確認」と残しています。
場面別の社内通知例(そのまま使えます)
[ ] の中を、決定資料から写してください。読む人が知りたいのは「自分は明日から何を変えるのか」です。そこを先に書きます。
① やり方が変わる(基本の形)
件名:[業務名]の変更について([日付]から)
[日付]から、[業務名]の[何]を変更します。
【対象者】[誰が]
【変わること】[今まで] → [これから]
【変わらないこと】[今までどおりの部分]
【理由】[なぜ変えるのか・1〜2行]
【開始日】[日付]
【移行期間】[期間/なければ「ありません」]
■ 問い合わせ
操作方法:[窓口]
ルールの内容:[窓口・資料の場所]
「変わらないこと」を書くと、読む人の不安が半分になります。
② 期限・提出先が変わる
[日付]提出分から、[書類名]の[期限/提出先]が変わります。
【変更前】[期限/提出先]
【変更後】[期限/提出先]
[日付]提出分までは、これまでどおりで問題ありません。
[日付]以降は新しい方法でお願いします。
どの回から変わるかを明示します。「〇月から」だけだと、月をまたぐ提出で必ず混乱します。
③ 禁止・制限が増える
[日付]から、[対象の行為]について[制限の内容]といたします。
【理由】[背景。書ける範囲で具体的に]
【対象】[誰が・どの場面で]
【代わりにできること】[代替手段/なければ「ありません」]
【困ったとき】[窓口]
ご不便をおかけしますが、ご協力をお願いします。
制限を増やすときは、代わりの手段を必ず添えます。無いなら「無い」と書きます。
④ 試行・お試し期間があるとき
[日付]から[日付]まで、[新しいやり方]を試行します。
【試行の目的】[何を確かめたいか]
【対象】[誰が]
【この期間中】[従来のやり方も可/新しい方法のみ]
【本格導入の判断】[日付]に、[判断する人・会議]で決めます
【意見の出し方】[窓口・方法]
やりにくい点があれば、遠慮なくお知らせください。
⑤ 一度出した変更を取り消す・延期する
[日付]にお知らせした[変更内容]について、
[開始を[日付]へ延期/今回は見送り]といたします。
【理由】[確認できている範囲で]
【現時点の扱い】これまでどおり[従来のやり方]で進めてください
【次のご連絡】[日付]までにいたします
準備を進めていただいていた方には、お手数をおかけしました。
⑥ 短い掲示・チャット用
【[日付]から】[業務名]が変わります
[今まで] → [これから]
対象:[誰]
詳しくは[資料の場所]
質問は[窓口]まで
社内通知に書かないほうがよいこと
- 理由がない— 「決まったので」だけでは、現場は納得できず運用も定着しません
- 開始日があいまい— 「順次」「近日中」は、その日から現場が判断できなくなります
- 問い合わせ先がない— 質問が担当者個人へ集中するか、誰も聞かないまま間違ったやり方が広がります
- 変わらない部分を書かない— 全部変わると誤解され、余計な問い合わせが増えます
- 一斉送信だけで終える— 大きな変更は、掲示・朝礼など読む機会を複数用意します
- 決まっていないことを断定— 移行期間や例外が未定なら「確認中」と書き、決まりしだい追って出します
6. 使うときの注意
就業規則、賃金、労働時間、個人情報、安全手順などに関わる変更は、案内文だけで確定させません。法令、所管ルール、職場の正式な承認手続きを優先します。
新しいツールの使い方も含めて案内する場合は、ツール導入の社内案内へ。価格や料金の変更をお客様へ知らせる場合は、値上げ・料金改定のお知らせを使ってください。
7. 今日できたこと
- 変更理由、開始日、対象者を正本から拾えた。
- 変わることと変わらないことを分けられた。
- 未確認の例外をAIに作らせず、要確認で残せた。
- 読んだ人の次の行動と問い合わせ先を示せた。
変更点を並べるだけでなく、行動と確認先まで示すと、職場で使える案内になります。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:新しい決まりは、読む人の一日を変えるんや。開始日と次の行動を、いちばん分かりやすく書こな。
やさしいAI仕事術