整理の相談事例

引き継ぎ書は、自分の記憶を書き写す紙ではない——後任が困る順に並べる

作業の全部を書き出す前に、後任が最初に困ることから並べ、判断の基準と連絡先を残す方法

30分 ChatGPT 安心できた

こんな人へ
異動や退職で引き継ぎ書を作ることになり、何をどこまで書けばよいか分からない人

今日の相談

何から書けばいいのか

引き継ぎ書の白紙を前に、書く順番に迷っている人

やっている作業が多すぎる全部は書ききれない

AIへお願い

業務を頻度と困りやすさで並べ替えている人

後任が困る順に並べる判断の基準を言葉にする

AIの返事

困る順に整理された架空の引き継ぎ書

量が半分になる聞かれる前に答えが載る

ポイント

今日のポイント

できた!

渡せる形になった

引き継ぎ書を後任と一緒に確認している様子

引き継ぎ後の質問が減る自分も安心して離れられる

また困ったらおいでと言うほー先輩

手順より先に「困ったときの連絡先」や。それが一行あるだけで、後任はだいぶ楽になる。

絵で流れはつかめたやろ? ほな、このとおりにやってみよか。コピーして使える手順を下に置いといたで。

このとおりに、5分でやってみる コピーして使える手順・スマホでもできます

1. 今日の相談

「異動が決まって、引き継ぎ書を作ることになりました。でも普段やっている作業を書き出し始めたら、キリがなくて。細かいことまで書くと膨大だし、省くと後任が困りそうだし。何をどこまで書けばいいんでしょうか」

引き継ぎ書が終わらないのは、自分の記憶を全部書き写そうとするからです。

必要なのは網羅ではありません。後任が最初につまずくところから順に並べる——それだけで、量は半分になり、役に立つ度合いは上がります。

2. 大丈夫です

ほー先輩:引き継ぎ書は、あんたの仕事の全集やない。後任が困ったときに開く本や。せやったら、困る順に並べるのがいちばん親切やろ。

「困る順」とは、こういう順番です。

  1. 期限があるもの……止まると外部に迷惑がかかる
  2. 月に一度以下のもの……忘れた頃にやってくる。マニュアルが無いと詰まる
  3. 判断が要るもの……手順は書けても、基準が書いていないと動けない
  4. 毎日やるもの……頻度が高いぶん、隣で見ていれば覚えられる

意外に思われますが、毎日の作業は最後で構いません。毎日やることは引き継ぎ期間中に自然と伝わります。逆に「年に一度の申請」は、書いていないと1年後に誰も分からなくなります。

3. 今日使うAI・道具

使うのはChatGPTと、自分の予定表とメール履歴です。

  • 予定表(過去6か月〜1年)……定例と、年に数回の作業を洗い出す
  • 送信済みメール……誰と、何のやり取りをしていたか
  • 共有フォルダ……どこに何があるか

AIには、実際の取引先名・担当者名・金額・システムのIDやパスワードを渡しません。項目の並べ方と空欄の型を作るところまでに使います。

パスワードや認証情報は引き継ぎ書に書きません。職場で決められた受け渡し方法(パスワード管理ツール、情報システム部門経由など)に従ってください。

4. 実際にやってみる

1. 予定表を1年ぶん眺めて、作業を洗い出す

記憶ではなく記録から出します。とくに年に1〜2回しかない作業は、予定表を見ないと思い出せません。

2. 「困る順」の4分類に振り分ける

【期限あり】月次請求(毎月5営業日まで)/年度更新(4月)
【たまにしかない】備品の年次棚卸(11月)/保険の更新(1月)
【判断が要る】値引きの可否/再送の判断/エスカレーションの線引き
【毎日】朝のメール確認/日報

3. 判断が要るものには「基準」を書く

ここが引き継ぎ書のいちばんの価値です。手順は見れば分かりますが、基準は聞かないと分かりません

× 「値引きは状況に応じて判断」
○ 「1万円未満は担当判断。1万円以上は課長へ相談。前例は共有フォルダの
  値引き記録シートにあります」

4. 連絡先を、手順より前に置く

後任が本当に困るのは「誰に聞けばいいか分からない」ときです。冒頭に連絡先の一覧を置いてください。

5. AIへ空の型を頼む

実際の業務情報を入力せずに使える、引き継ぎ書の空の型を作ってください。
「困ったときの連絡先」「期限がある業務」「頻度の低い業務」
「判断が要る業務(基準を書く欄つき)」「日常業務」「保管場所」の順に並べ、
すべて空欄にしてください。会社名、氏名、金額、認証情報を書く欄は作らないでください。

6. 後任と一緒に、上から読む

渡して終わりにせず、一度は一緒に読みます。後任が質問した箇所が、書き足すべき箇所です。

5. 完成例

以下は架空の例です。

【引き継ぎ書】◯◯業務

■ 困ったときの連絡先
 ・システム関連:情報システム部 内線1234
 ・請求の相談:経理部 ◯◯さん 内線5678
 ・取引先A社:先方担当は営業部経由(直接連絡はしない運用)

■ 期限がある業務
 ・月次請求書の発行(毎月5営業日まで)
  手順:共有フォルダ/請求/手順書.pdf
  注意:A社のみ締め日が20日。他社と混ぜない

■ 頻度の低い業務
 ・備品の年次棚卸(11月・総務主管)
  昨年の記録:共有フォルダ/棚卸/2025

■ 判断が要る業務
 ・再送の可否
  基準:先方都合の未達は即再送。こちらの記載ミスは課長へ一報後に再送
 ・値引き
  基準:1万円未満は担当判断。1万円以上は課長承認

■ 日常業務
 ・朝のメール確認(9:00)/日報(17:30)

■ 保管場所
 ・共有フォルダ/◯◯業務/
 ・紙の控えはキャビネット3段目

場面別の書き方の例(そのまま使えます)

① 判断基準を書くとき

・[判断する場面]
 基準:[金額や条件]までは[誰]の判断。[条件]を超えたら[誰]へ相談
 前例:[どこに記録があるか]

② 引き継ぎのあいさつメール

件名:業務引き継ぎのご連絡([業務名])

[日付]付けで[異動先/退職]となり、[業務名]を[後任者名]が担当いたします。
引き継ぎ書は[保管場所]に置いております。

[日付]までは私も在席しておりますので、
ご不明な点があればお声がけください。

③ 後任へ渡すときの一言

上から順に、困りやすい順に並べています。
読んでみて「これだけでは動けない」と思った箇所を教えてください。
そこを書き足します。

この一言があるかどうかで、引き継ぎ書の完成度は変わります。

④ 引き継ぎ期間が取れないとき

【未引き継ぎ事項】
・[業務名]:[いつ発生するか]。手順書は[場所]。
 過去の担当は[部署]。初回は[誰]へ相談してください

時間が足りないときは、足りないことを書いて渡すのが誠実です。

引き継ぎ書で気をつけたいこと

  • 全部を網羅しようとする——終わりません。困る順に並べて、上から埋めます
  • 手順だけ書いて基準を書かない——後任が止まるのは基準が無いときです
  • パスワードや認証情報を書く——職場の定めた方法で別途受け渡します
  • 個人の評価や人間関係の愚痴を書く——引き継ぎ書は残ります
  • 連絡先を最後に書く——いちばん使うものを、いちばん前に置きます
  • 渡して終わりにする——一緒に読む時間を30分取るだけで、後の質問が激減します

日々の記録の残し方は、申し送り・電話メモの例文も参考になります。

6. 使うときの注意

引き継ぎの範囲・時期・方法は、職場の規程や上長の指示に従ってください。この記事の内容を、自分の職場のルールとして扱わないでください。

顧客情報・人事情報・認証情報の取り扱いは、社内規程と個人情報の取り扱いルールが優先します。共有フォルダの権限が後任にあるかどうかも、引き継ぎ前に確認します。

実際の取引先名・担当者名・金額・認証情報を一般向けAIへ入力しません。空の型までで区切ります。

7. 今日できたこと

  • 引き継ぎ書を「網羅」ではなく「困る順」で組み立てられた。
  • 判断が要る業務に、手順ではなく基準を書けた。
  • 連絡先を冒頭に置き、後任が最初に迷わない形にできた。
  • 引き継げなかったことを、正直に書いて渡す形を用意できた。

8. ほー先輩の一言

ほー先輩:引き継ぎって、自分がやってきたことを全部残したなるもんや。せやけど後任が知りたいんは、あんたの仕事の量やのうて「困ったときにどうするか」やねん。連絡先と判断の基準。この二つがあったら、あとは本人がなんとかする。信じて渡したらええ。

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