1. 今日の相談
「倉庫で棚の物が落ちて備品が壊れ、同僚が軽いけがをしました。上司から事故報告書を出すように言われましたが、何をどの順で書けばよいのか、原因もはっきりしないので手が止まっています」
事故報告書で最初に必要なのは、何が、いつ、どこで起きて、誰がどうなったかの事実です。原因は、分かっている範囲を「見立て」として分け、確認中のことは確認中と書きます。
責任の所在を決める紙ではありません。次の事故を減らすために、事実を残す紙です。
2. 大丈夫です
ほー先輩:事故報告書は、誰のせいかを決める紙やない。次の事故を減らす紙や。見たことと思ったことを分けて書けたら、それで十分やで。
順番があります。まず、けがをした人の手当てと安全の確保、職場の緊急連絡です。報告書は、そのあとです。
職場に事故報告の様式や手順(労災の手続き、産業医への連絡)があれば、それに従います。自由書式で作るのは、様式がない場合だけです。
けがの程度や治療の要否は、本人と医療機関が判断します。報告書で「軽傷」と断定せず、本人の申告と受診の有無を書きます。
3. 今日使うAI・道具
使うのはChatGPTと、職場の事故報告の様式と手順です。
ChatGPTには、架空の練習例から空欄の型だけを作らせます。実際の事故の内容、けがをした人の氏名や状態、職場名、設備の情報、写真は入力しません。
4. 実際にやってみる
1. 安全確保と第一報を済ませる
けがの手当て、危険物の除去や立入制限、上司や責任者への口頭の第一報。報告書は、これらのあとに書きます。
2. 事実を時系列で書き出す
日時、場所、誰が何をしていて、何が起きたか。見た人が誰かも書きます。「たぶん〇〇が原因」のような推測は、この欄に入れません。
3. けがと物損、行った対応を書く
けがの有無と本人の申告、受診の有無。壊れた物と、その扱い。行った応急対応と、誰に連絡したか。
4. 固定の練習例で空欄の型を作る
実在の職場や人物とは無関係な「町内読書会の書庫で本の束が落ちて棚が壊れた」という固定の練習例だけを使い、
職場の事故報告書の空欄の型を作ってください。
順番は「報告日と報告者」「発生日時と場所」「関係した人(役割のみ)」「起きた事実(時系列)」「けがの有無と本人の申告・受診の有無」「物損の内容」「行った応急対応と連絡先」「原因の見立て(確認できたものと確認中を分ける)」「再発防止(決まったものだけ)」「添付資料」です。
けがの程度や原因を断定する表現は使わないでください。
氏名、日付、場所の実物、設備名は書かず、すべて空欄にしてください。
5. 原因は見立てとして、再発防止は決まったものだけ
「棚の固定が外れていた(確認済み)」「積み方が高かった可能性(確認中)」のように分けます。再発防止は、決まった対策と実施日だけを書き、検討中なら「〇日までに決める」と書きます。
社内への共有の仕方は社内システムの障害を、事実・影響範囲・回避策から共有するの型が、内容の整理は顛末書をAIで書く前に|事実・推測・未確認を分けるが近いです。
5. 完成例
以下は架空例です。
事故報告書
報告日:[日付] 報告者:[部署・氏名]
発生日時:[日付][時刻]ごろ
発生場所:[建物・部屋・棚の位置]
関係した人:作業者一名、近くにいた同僚一名
起きた事実:
・[時刻] 作業者が上段の箱を取ろうとした際、隣の箱が落下した。
・落下した箱が同僚の腕に当たり、床の備品([品名])に当たって破損した。
・[時刻] 作業者が責任者へ口頭で報告した。
けが:同僚が右腕の打撲を申告。本人の希望で当日中に受診。診断結果は本人から後日報告予定。
物損:[品名]一点が破損。使用停止とし、[場所]へ移動。
行った対応:
・落下物を除去し、周囲の棚の上段の箱を一時的に下ろした。
・責任者へ口頭報告、[時刻]に本報告書を提出。
原因の見立て:
・確認できたこと:上段の箱が棚の奥行きより手前にはみ出して置かれていた。
・確認中:棚の固定状態、箱の重量制限の表示の有無。
再発防止:
・上段には軽い物だけを置く運用を[日付]から開始(責任者決定済み)。
・棚の固定と重量制限は、[日付]までに設備担当が確認。
添付:現場の写真[枚数]、破損した備品の写真[枚数]
けがは本人の申告として書き、原因は確認済みと確認中に分けています。
6. 使うときの注意
けがをした人の氏名、けがの詳細、受診先は、報告書の閲覧範囲に注意します。職場の個人情報の扱いに従い、必要な人だけが見られるようにします。
労災の手続きや届出が必要かは、職場の担当者や責任者が判断します。報告書の中で自分から「労災には当たらない」などの判断を書きません。
現場の写真は、事故の状況を記録するためのものです。けがをした人が写っている写真は、本人の了解なく添付しません。
7. 今日できたこと
- 安全確保と第一報を先にできた。
- 事実を時系列で書き、推測を見立てに分けられた。
- けがの程度を断定せずに書けた。
- 事故の実際の内容や氏名をAIへ渡さずに済んだ。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:報告書を早く、正直に出すんは、責められるためやない。同じことを次の人に起こさんためや。それを忘れんかったら、書けるで。
やさしいAI仕事術