1. 今日の相談
「自分のミスで、謝らないといけないんです。返事が遅れてしまったり、送った資料に間違いがあったり。謝る気持ちはちゃんとあるんです。でも、いざ書こうとすると止まってしまって。軽く『すみません』だけやと誠意がないように見えるし、かというて長々と書くと、言い訳がましくなって、かえってこじれそうで。どのくらいの重さで書けばいいのか、毎回わからへんのです」
これ、とても多い相談です。お詫びの文(かしこまって言えば謝罪文)は、気持ちがあるほど、加減がむずかしい。深刻に書きすぎると相手にも気をつかわせるし、あっさりしすぎると軽く見える。そして、つい「なぜそうなったか」の説明を長く書いてしまい、それが言い訳のように読めてしまう。
この「お詫びの加減」で固まらずに、誠実に、こじらせずに伝えたい——というのが今日の相談です。
2. 大丈夫です
ほー先輩:大丈夫やで。お詫びを書く前に、「確認できた事実」「相手への影響」「承認済みの対応」をそろえよ。分からん原因や守れへん約束で空欄を埋めんでええんやで。
経緯を長く書きすぎると、必要な情報が見つけにくくなります。一方で、短ければよいとも限りません。相手が必要とする事実・影響・訂正内容・今後の対応を、責任者と確認した範囲で欠かさず伝えます。
今日やるのは、まず元の記録と責任者の判断から「確認できた事実」「伝えてよい影響」「承認済みの対応」をそろえることです。AIを使うなら、実際の事故・顧客・案件を入力せず、架空例でお詫び文の型だけを作ります。
3. 今日使うAI・道具
今日使うのは1つだけです。
- ChatGPT … 実在の人・会社・事故・案件・日時・金額・対応を含まない架空例から、お詫び文の型を作る場合に使います。
事故、けが、情報漏えい、契約、返金、補償、法的説明、重大な顧客対応は、文章づくりより正式な報告・初動・責任者確認を先にします。AIに責任範囲や対応を決めさせません。
4. 実際にやってみる
そのまま真似できる手順です。いきましょか。
ステップ1:正式な記録と対応を確認する
元の送信記録・資料・受付記録等から何が起きたかを確認し、相手への影響、訂正、再送、返金、補償等を誰が決めるか確認します。未確認の原因や影響をお詫び文で確定しません。
ステップ2:架空の事実を3つ用意する
文型の練習には、実際の出来事を元にしない「何が起きたか」「確認できた影響」「承認済みの対応」を使います。
ステップ3:ChatGPTに、架空例で頼む
次の指示文を貼り付けて、ステップ1のメモを続けて貼ります。
次の架空の内容で、お詫びのメッセージの型を書いてください。 誠実で、でも重すぎない、短めの文章にしてください。 言い訳や未確認の原因を増やさず、「確認済みの事実」「お詫び」「承認済みの対応」が分かれる形にしてください。 書いていないことは、付け足さないでください。
【何が起きたか】(架空の確認済み事実) 【相手への影響】(架空の確認済み事実) 【これからどうするか】(架空の承認済み対応)
コツは「言い訳を増やさない」「①お詫びと②これから、の2つ」の一文です。経緯を長く説明させないことで、文がすっきりして、かえって誠意が伝わります。
ステップ4:実際の文章はAIの外で作る
AIが作った型を承認済み原稿へ移し、実際の事実・影響・対応・宛先・日付は、正式な記録と責任者の決定から人が記入します。過度な自己卑下、大きすぎる約束、未確認の原因・責任・補償が混じっていないか確認します。
ほー先輩:短さだけを目標にせんでええ。相手が知る必要のある事実と、守れる対応が見つけやすい文にしよな。
5. 完成例
実際にやってみると、こんなふうに変わります。(架空の内容です)
ビフォー(事実の走り書き)
・先週送った案内の日付が間違っていた(正しくは15日、10日と記載)
・受け取った方が予定を勘違いするところだった
・正しい案内を再送する/今後は送信前に確認する
アフター(ChatGPTが整えたお詫び)
件名:【訂正のお詫び】〇〇のご案内について
お世話になっております。
先日お送りしたご案内に、日付の誤りがございました。
正しくは「15日」です。誤って「10日」とご案内しており、
ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
正しい内容のご案内を、改めてお送りいたします。
今後は、送信前の確認を徹底いたします。
このたびは失礼いたしました。
言い訳を増やさず、起きたこと、謝罪、これからの対応を分けた下書きです。相手への補償や約束はAIに決めさせず、職場で確認した内容だけを書きます。
納期に間に合わないことへのお詫びなら、納期遅れの連絡の例文のほうが場面に合います。
6. 送る前に確認すること
「お詫び」と「これからの対応」を分けると、言い訳を重ねずに要点を確認できます。ただし、AIには責任の範囲や正式な対応を決めさせません。返金、補償、法的な説明が関わるときは、職場の責任者と決めた内容だけを書きます。
日付、相手の名前、起きたこと、連絡方法を元の記録と照らします。まだ確認できていない理由を、AIの推測で埋めないことも大切です。
AIが過度な自己卑下や大きすぎる約束を足したら削ります。文章を整えるのはAI、事実と対応に責任を持つのは人。誠意は長さではなく、確認した事実と具体的な次の行動で伝えます。
7. 今日できたこと
今日できたことを、言葉にしておきますね。
- 正式な記録と承認済み対応から、お詫びの文章を確認できた。
- 「①お詫び ②これからどうするか、言い訳は増やさない」というお詫びの型を覚えた。
- 事実を確認し、過度な卑下を削って仕上げる、という整え方が身についた。
この型は、返事の遅れ、資料の誤り、日程の間違いなど、いろいろなお詫びにそのまま使えます。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:お詫びは、信頼を取り戻す保証の言葉やないで。確認した事実と、責任者が決めた対応を、相手が分かる形で正直に伝えよな。
やさしいAI仕事術